109Q157|第109回 薬剤師国家試験 過去問
37 歳女性。アレルギー疾患の既往歴なし。顔面に紅斑が出現したため、近 医を受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。ステロイド療法が施 行され、病状は落ち着いた。副腎皮質ステロイド性薬の漸減中に、突然、上機嫌に なって多弁となったり、急に無表情になったり、「スマートフォンの使い方が分か らなくなった。」と困惑して涙ぐんだりする症状が目立つようになった。血液検査 の結果は以下のとおりである。 (検査値) 赤血球400 × 10 4/μL、白血球5,120/μL、血小板20.8 × 10 4/μL、 血清クレアチニン1.84 mg/dL、eGFR 32.8 mL/min/1.73 m 2、 空腹時血糖112 mg/dL、HbA1c 6.5%、抗核抗体(+)、尿タンパク(2+)、 尿潜血(+) この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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正解: 3・5
正答
3・5
この問題のポイント
SLEの免疫機序、蝶形紅斑、中枢神経症状、血球数、腎障害を症例の所見から評価します。
解説
SLEでは自己抗体と免疫複合体が組織障害に関与し、主としてⅢ型アレルギーの機序で説明されます。顔面紅斑は鼻梁から両頬に広がる蝶形紅斑が典型です。気分の急激な変化、認知機能障害、困惑などの精神神経症状は中枢神経ループスを疑う所見です。赤血球400万/μL、白血球5,120/μL、血小板20.8万/μLはいずれも汎血球減少を示しません。一方、クレアチニン高値、eGFR低下、蛋白尿、血尿は糸球体障害を示し、ループス腎炎が疑われます。
選択肢の確認
1.SLE はⅠ型アレルギーによって発症した。:SLEの組織障害には主として免疫複合体によるⅢ型機序が関与します。
2.顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である。:典型的な蝶形紅斑は鼻梁から両側の頬に広がります。
3.副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる。:正答。多彩な気分・認知症状から疑います。
4.血液検査から汎血球減少症が疑われる。:提示された赤血球、白血球、血小板数は汎血球減少を示しません。
5.血液検査からループス腎炎が疑われる。:正答。腎機能低下、蛋白尿、血尿がそろっています。
覚えるポイント
SLEは免疫複合体、蝶形紅斑は両側性です。精神神経症状は中枢神経ループス、蛋白尿・血尿と腎機能低下はループス腎炎を示唆します。