109Q158|第109回 薬剤師国家試験 過去問
37 歳女性。アレルギー疾患の既往歴なし。顔面に紅斑が出現したため、近 医を受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。ステロイド療法が施 行され、病状は落ち着いた。副腎皮質ステロイド性薬の漸減中に、突然、上機嫌に なって多弁となったり、急に無表情になったり、「スマートフォンの使い方が分か らなくなった。」と困惑して涙ぐんだりする症状が目立つようになった。血液検査 の結果は以下のとおりである。 (検査値) 赤血球400 × 10 4/μL、白血球5,120/μL、血小板20.8 × 10 4/μL、 血清クレアチニン1.84 mg/dL、eGFR 32.8 mL/min/1.73 m 2、 空腹時血糖112 mg/dL、HbA1c 6.5%、抗核抗体(+)、尿タンパク(2+)、 尿潜血(+) SLE 及びその合併症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのは どれか。2つ選べ。
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正解: 1・4
正答
1・4
この問題のポイント
SLE・ループス腎炎に用いる免疫抑制薬について、活性化、標的酵素、プリン合成、B細胞標的を正確に対応させます。
解説
シクロホスファミドは肝CYPで活性化され、生成したホスホラミドマスタードがDNAをアルキル化・架橋して複製を阻害します。ミコフェノール酸モフェチルは加水分解されてミコフェノール酸となり、IMPデヒドロゲナーゼを阻害してde novoプリン合成を抑えます。ミゾリビンもプリン合成系を抑えますが、DHFR阻害薬ではありません。タクロリムスはカルシニューリンを阻害してNFATの脱リン酸化・核移行を妨げます。ベリムマブはB細胞生存因子BLyS(BAFF)を中和し、CD20を標的とする薬ではありません。
選択肢の確認
1.シクロホスファミドは、肝臓で代謝されて活性体となり、DNA をアルキル化 して、DNA の複製を阻害する。:正答。肝代謝で活性化されるアルキル化薬です。
2.ミゾリビンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、チミジル酸の合成を抑制す る。:IMPデヒドロゲナーゼなどを阻害してプリン合成を抑えます。
3.タクロリムスは、活性化T 細胞核内因子(NFAT)のリン酸化を阻害して、 IL︲2 の産生を抑制する。:カルシニューリンによるNFATの脱リン酸化を阻害します。
4.ミコフェノール酸モフェチルは、体内でミコフェノール酸に加水分解され、プ リン塩基の合成を抑制する。:正答。活性体MPAがIMPデヒドロゲナーゼを阻害します。
5.ベリムマブは、B リンパ球細胞膜のCD20 に結合して、B リンパ球の増殖を抑 制する。 一般問題(薬学理論問題) 【薬理】:BLySを標的とします。CD20を標的とする代表はリツキシマブです。
覚えるポイント
シクロホスファミドは肝活性化DNA架橋、MMFはMPAとなりプリン合成阻害、タクロリムスはNFAT脱リン酸化阻害、ベリムマブはBLyS阻害です。