109Q175|第109回 薬剤師国家試験 過去問
下表には薬物の肝抽出率及び血漿タンパク結合率を示す。これら3 種の薬物の 体内動態の変動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 薬物 肝抽出率 血漿タンパク結合率 ニカルジピン 0.7 より大 0.8 より大 フェニトイン 0.3 より小 0.8 より大 テオフィリン 0.3 より小 0.8 より小
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正解: 3・5
正答
3・5
この問題のポイント
well-stirred modelにおける高肝抽出型・低肝抽出型の律速因子と、非結合形定常濃度への血漿タンパク結合の影響を判断します。
解説
肝クリアランスはCLh=Qh・fu・Clint/(Qh+fu・Clint)で表せます。ニカルジピンのような高抽出型ではCLhは肝血流量Qhに近づき、血流依存性です。このとき投与速度と血流が一定でも非結合形濃度はfuの変化を受けるため、結合率の影響を無視できません。フェニトインとテオフィリンは低抽出型なのでCLh≈fu・Clintとなり、固有クリアランスの変動に敏感です。タンパク減少の影響は高結合のフェニトインで大きくなります。一方、低抽出型の定常状態非結合形濃度は投与速度/Clintに対応し、Clint一定ならfuの変化が相殺されます。
選択肢の確認
1.ニカルジピンの肝クリアランスは、肝血流量による影響を受けない。:高抽出型のニカルジピンは肝血流量の変動を強く受けます。
2.ニカルジピンの定常状態における非結合形薬物濃度は、肝血流量が一定であれ ば、血漿タンパク結合率の変動による影響を受けない。:高抽出型ではCLhがほぼ血流依存となる一方、非結合形濃度にはfuの変動が反映されます。
3.フェニトインとテオフィリンの肝クリアランスは、いずれも肝固有クリアラン スの変動の影響を受けやすい。:正答。両薬とも低抽出型で、CLhはfuと肝固有クリアランスに依存します。
4.血漿タンパク質の減少による肝クリアランスへの影響は、フェニトインよりテ オフィリンの方が大きい。:結合率が高いフェニトインの方が、低結合のテオフィリンより血漿タンパク減少の影響を受けます。
5.フェニトインとテオフィリンの定常状態における非結合形薬物濃度は、肝固有 クリアランスが一定であれば、血漿タンパク結合率の変動による影響を受けな い。:正答。低抽出型ではClint一定なら定常状態の非結合形濃度はfuに依存しません。
覚えるポイント
高抽出型は血流律速、低抽出型はfu・Clint律速です。低抽出型の非結合形定常濃度は、Clint一定なら結合率変化の影響を受けません。