110Q232第110回 薬剤師国家試験 過去問

61 歳女性。肺アスペルギローマの既往。急性リンパ性白血病と診断され、 シタラビン大量療法が施行された。療法開始から15 日目に固形成分を含まない水 様性便となったため、副作用の対応として処方1 ~4 の薬剤で治療開始された。し かし、症状が悪化したことから、5 日後に糞便検体を採取して検査した結果、 toxin A 及びtoxin B が陽性であった。Clostridioides difficile 感染症の院内での拡 大を防止するため、院内のチームで対策を検討することになった。 (処方1 ) 点滴静注 メロペネム点滴静注用(1 g/バイアル 1 本)1 g 生理食塩液100 mL 1 日3 回 8 時間ごと 30 分かけて投与 7 日連日投与 (処方2 ) イトラコナゾール錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食直後 7 日分 (処方3 ) ロペラミド塩酸塩カプセル1 mg 1 回1 カプセル(1 日2 カプセル) 1 日2 回 朝夕食後 7 日分 (処方4 ) メトクロプラミド錠5 mg 1 回1 錠(1 日3 錠) 酪酸菌(宮入菌)製剤錠20 mg 1 回2 錠(1 日6 錠) 1 日3 回 朝昼夕食前 7 日分 この患者に処方された処方1 ~4 の薬剤のうち、Clostridioides difficile 感染症 を誘発し、下痢を悪化させた可能性のある薬剤はどれか。1つ選べ。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

広域抗菌薬は正常腸内細菌叢を乱し、Clostridioides difficileの増殖と毒素産生を促す主要な誘因です。

解説

メロペネムは広域スペクトルのカルバペネム系抗菌薬で、腸内細菌叢を大きく変化させ、C. difficile感染症(CDI)の重要なリスクとなります。toxin A・B陽性の水様性下痢が悪化した本例では、必要性を再評価して原因となり得る抗菌薬の中止・狭域化を検討します。ロペラミドは腸管運動を抑え、確立した感染性腸炎で毒素排出を遅らせ重症化させるおそれがありますが、CDIを「誘発」した薬剤として問われる主因はメロペネムです。イトラコナゾール、メトクロプラミド、宮入菌製剤は腸内細菌叢を破壊してCDIを誘発する広域抗菌薬ではありません。

選択肢の確認

1.メロペネム点滴静注用:正答。広域抗菌薬使用はCDIの主要な誘因です。
2.イトラコナゾール錠:抗真菌薬で、設問の主要な誘因ではありません。
3.ロペラミド塩酸塩カプセル:感染性下痢で重症化に注意しますが、菌交代を誘発する薬ではありません。
4.メトクロプラミド錠:消化管運動改善薬で、CDIの誘因ではありません。
5.酪酸菌(宮入菌)製剤錠:整腸薬で、原因薬ではありません。

覚えるポイント

CDIを疑ったら広域抗菌薬の必要性を再評価し、止瀉薬による毒素排出遅延にも注意します。

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