110Q294|第110回 薬剤師国家試験 過去問
29 歳女性。既婚。3 年前に夫をドナーとした生体腎移植(ABO 血液型適 合)を受け、拒絶反応を抑制するため免疫抑制薬を以下の処方で服用しながら、生 活をしている。腎移植後、体調がよくなり生活も安定してきたので、子供を欲しい と思うようになった。 (処方) シクロスポリンカプセル25 mg 1 回3 カプセル(1 日6 カプセル) 1 日2 回 朝夕食後 28 日分 患者の希望を考慮すると、今後の免疫抑制薬として選択可能なのはどれか。2つ 選べ。
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正解: 1・2
正答
1・2
この問題のポイント
腎移植後に妊娠を希望する患者では、拒絶反応を防ぎながら、妊娠中にも継続を検討できる維持免疫抑制薬を選びます。自己判断での中止は移植腎を危険にします。
解説
シクロスポリンとタクロリムスはいずれもカルシニューリン阻害薬で、妊娠中も母体の治療上の利益が危険性を上回る場合に、血中濃度、腎機能、血圧などを厳重に管理しながら使用を検討できます。現在安定しているシクロスポリンを妊娠希望だけで中止する必要はなく、タクロリムスも維持療法の選択肢です。バシリキシマブは移植時の導入療法に用いる抗体薬で、長期の経口維持療法の代替ではありません。ミゾリビンとエベロリムスは胎児への影響が懸念され、妊娠を希望する患者の選択肢にしません。
選択肢の確認
1.シクロスポリン:正答。妊娠中も必要性を評価し、血中濃度などを監視して継続を検討できます。
2.タクロリムス:正答。妊娠を希望する移植患者で選択可能な維持免疫抑制薬です。
3.バシリキシマブ:主に移植直後の急性拒絶反応予防に用い、日常の維持療法には適しません。
4.ミゾリビン:妊娠中の使用を避ける薬で、妊娠希望を踏まえた選択にはなりません。
5.エベロリムス:妊娠中の安全性が確立せず、胎児への影響を考えて選択しません。
覚えるポイント
移植後妊娠は計画的に行い、カルシニューリン阻害薬を軸に移植医と産科が共同で管理します。