111Q281|第111回 薬剤師国家試験 過去問
82 歳男性。身長 167 cm、体重 50 kg。2 型糖尿病の既往があり、シタグリ プチンリン酸塩錠の服用により血糖コントロールは良好であったが、歩行時にふく らはぎの痛みと足趾の冷感、皮膚色調の変化を主訴に血管外科を受診した。下肢動 脈の超音波検査及び CT 血管造影にて、重度の閉塞性動脈硬化症が確認された。バ イパス手術は積極的な適用とはならず、まずは保存的治療として、アルプロスタジ ル注射用(点滴静注①)による血流改善を目的とした薬物療法を入院にて行う方針 となった。 また、栄養状態が悪いため、経静脈的にアミノ酸・糖・電解質・ビタミン B1 の 栄養剤(点滴静注②)も投与することとなった。点滴静注①と②の注射処方が発行 されたため、処方内容に誤りや注意点がないか、担当薬剤師は確認を行った。 (入院時検査値) 空腹時血糖 110 mg/dL、血清クレアチニン 0.9 mg/dL、血圧 135/85 mmHg、 eGFR 70 mL/min/1.73 m 2、血清アルブミン 2.3 g/dL、Na 140 mEq/L、 K 4.2 mEq/L (処方) 点滴静注① アルプロスタジル注射用(10 μg/バイアル 1 本) 10 μg 生理食塩液 100 mL 1 日1 回 10 時 2 時間かけて投与 点滴静注② アミノ酸・糖・電解質・ビタミン B1 製剤 500 mL 1 日1 回 10 時 2 時間かけて投与 点滴静注①には、添加剤として、精製大豆油、高度精製卵黄レシチン、オレイン 酸、濃グリセリンが含まれる。本製剤に含まれている微粒子の模式図として適切な のはどれか。1つ選べ。ただし、外相は水とする。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
精製大豆油、卵黄レシチン、オレイン酸、グリセリンからなる製剤は、水を外相とする油中薬物型のO/W脂肪乳剤です。
解説
アルプロスタジルのリポ化製剤では、大豆油の油滴を外相の水中へ分散させ、界面を卵黄レシチンで安定化しています。脂溶性のアルプロスタジルは油滴内部に溶解・分散するため、公式図では「外相が水、油滴内部が大豆油と薬物、界面がレシチン」と示す選択肢3が該当します。薬物を油滴表面へ並べた1、水を内相として大豆油・レシチンの層を置く2や4、レシチンを油滴内部の分散相として描く5は組成配置が合いません。この脂肪微粒子は病変血管への移行性と薬物の安定性を利用したリポPGE1製剤です。
選択肢の確認
1.選択肢1(画像参照):薬物が油滴界面に並ぶ図で、実際の配置と異なります。
2.選択肢2(画像参照):水の内相と大豆油・レシチンの層を描き、薬物を溶かした大豆油滴ではありません。
3.選択肢3(画像参照):正答。薬物を含む大豆油滴をレシチンが覆い、水中に分散します。
4.選択肢4(画像参照):水滴を油相が囲む配置で、O/W乳剤ではありません。
5.選択肢5(画像参照):レシチンを油滴内部に分散させた図で不適切です。
覚えるポイント
O/W乳剤は油滴が内相、水が外相、乳化剤が界面に配向します。脂溶性薬物は油滴内部に保持されます。