60AM072|第60回 理学療法士国家試験 過去問
健常者の股関節で正しいのはどれか。2 つ選べ。
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正解: 2・3
正答
2・3
この問題のポイント
股関節の解剖学的特徴を理解し、関節の安定性と運動機能の関係を把握することが鍵。特に「頸体角」と「靭帯の緊張特性」は臨床で頻出する知識。
解説
股関節は、大腿骨頭と寛骨臼が形成する臼状関節であり、安定性と可動性を兼ね備える。この関節では、大腿骨頭の前方が完全に被覆されるとは言えないため、前方に靭帯が覆われる構造で、伸展時にその靭帯が緊張して安定を保つ。この性質は、特に歩行中の股関節の安定に重要。
「頸体角」とは、大腿骨頭の中心軸と寛骨臼の中心軸の間の角度で、成人では120~130度(平均125度)とされる。これは、股関節の可動性と安定性のバランスを示す重要な値であり、臨床的評価で頻用される。
一方、大腿骨の垂直軸に対する運動軸(前捻角)は約15度であるが、これは前捻角(大腿骨の垂直軸に対する捻転)であり、垂直軸に対する運動軸とは異なる。誤解を招くため、選択肢4は誤り。
また、大腿骨頭の前方が寛骨臼に完全に被覆されているとは言えない。その理由は、前方に関節包と靭帯が覆われ、被覆が不完全であるため、伸展時に靭帯が緊張して安定を維持する仕組みが成り立つ。
選択肢の確認
1.鞍関節である。:錯誤。股関節は臼状関節(球関節の一種)であり、鞍関節は例えば尾骨と寛骨の関節。
2.頸体角は120~130 度である。:正しい。成人の平均値は125度で、120~130度の範囲に含まれる。
3.恥骨大腿靱帯は伸展運動で緊張する。:正しい。伸展時、腸骨・恥骨・坐骨大腿靱帯が緊張し、股関節の安定を確保。
4.大腿骨の垂直軸に対する運動軸は約15 度である。:錯誤。これは前捻角であり、運動軸の記述として不適切。
5.大腿骨頭の前方は寛骨臼に完全に被覆されている。:錯誤。前方は靭帯と関節包で覆われ、完全被覆ではない。
覚えるポイント
股関節の安定性は、伸展時における靭帯の緊張と頸体角の値で決まる。臨床で「伸展時の安定」を評価する際、この2つを意識すると、正確な理解が得られる。