76AM21第76回 診療放射線技師国家試験 過去問

診療画像検査学診療画像解剖MR画像

腹部 MRI の T2 強調像を別に示す。 多房性の腫瘤が存在する臓器はどれか。

76AM21の問題画像
解答・解説を見る

正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、腹部 MRI の T2 強調横断像で、多房性腫瘤がどの臓器に存在するかを判断します。

画像では、中央やや左側寄り、胃の後方・脾臓の内側・大動脈の前方付近に、T2 強調像で高信号を示す多房性の嚢胞性腫瘤がみられます。

この部位は 膵臓、特に膵体部から膵尾部に相当する領域です。

解説

T2 強調像では、液体成分が 高信号に描出されます。

画像で多房性腫瘤は、内部に隔壁を伴うような複数の高信号領域として見えます。これは嚢胞性成分を含む腫瘤を示唆します。

腹部横断像で膵臓を探すときは、次の位置関係を確認します。

  • 膵臓は 胃の後方に位置する
  • 膵臓は 大動脈や椎体の前方を横走する
  • 膵体尾部は 脾臓の内側へ向かって伸びる
  • 膵臓は後腹膜に近い、上腹部中央の臓器である

この画像の多房性腫瘤は、肝臓内、腎臓内、脾臓内、腸管内ではなく、膵体尾部の走行に一致する部位にあります。

したがって、多房性の腫瘤が存在する臓器は 膵臓です。

画像でまず見るポイント
腹部横断像では、A/P/R/L の表示で方向を確認します。
肝臓は患者右側、脾臓と胃は患者左側、膵臓は胃の後方で横走する構造として探します。

選択肢の確認

1.誤り。
肝臓は画像の患者右側、つまり R 側に広く描出されています。多房性腫瘤は肝実質内ではなく、膵臓の走行部にみられます。

2.誤り。
腎臓は後腹部に左右対称性に位置します。画像では腎臓は後方に描出されており、多房性腫瘤の主座ではありません。

3.正しい。
多房性の高信号腫瘤は、胃の後方、大動脈の前方、脾臓の内側にあり、膵体尾部の位置に一致します。したがって、存在する臓器は膵臓です。

4.誤り。
大腸は腹腔内を走行する管腔臓器であり、この画像で示される多房性腫瘤の位置とは一致しません。腫瘤は腸管内ではなく上腹部中央の膵臓領域にあります。

5.誤り。
脾臓は画像の患者左側、L 側の上腹部外側に描出されます。多房性腫瘤は脾実質内ではなく、その内側の膵臓領域にあります。

覚えるポイント

  • T2 強調像では 液体成分が高信号になります。
  • 多房性腫瘤は、嚢胞性成分や隔壁を伴う病変として見えます。
  • 膵臓は 胃の後方、大動脈の前方、脾臓の内側を横走します。
  • 膵体尾部病変は、左上腹部で脾臓の内側に見つけやすいです。
  • 腹部横断像では、まず R/L 表示と臓器の位置関係を確認します。
76AM21の解説画像

関連問題

76AM2076AM22
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)