77PM6第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

診療画像検査学診療画像検査超音波検査

右季肋部縦走査の超音波像を別に示す。  矢印で示すアーチファクトはどれか。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、胆囊内にみられる繰り返しエコーを読み取り、超音波アーチファクトを判別します。

矢印で示されているのは、強い反射面の間で超音波が何度も反射して生じる多重反射です。

解説

提示された右季肋部縦走査の超音波像では、胆囊内の無エコー領域に、矢印で示すような線状・帯状のエコーがみられます。

胆囊内は通常、胆汁で満たされるため黒く抜けた無エコーとして描出されます。しかし、胆囊壁や強い反射面の近くでは、超音波が探触子と反射面の間、または反射面同士の間で繰り返し反射することがあります。

このように、同じ反射波が時間差をもって何度も戻ると、装置はそれをより深い位置から返ってきたエコーとして表示します。その結果、本来は存在しないエコーが等間隔または連続的に描出されます。

これが多重反射アーチファクトです。

画像でまず見るポイント
矢印部は、胆囊内の黒い無エコー領域に出現した偽の線状エコーです。後方に濃い黒い陰影を引く像ではなく、反射が繰り返されている像として考えます。

ひっかけポイント
胆石でよくみる「後方の黒い影」は音響陰影です。一方、この画像の矢印部は、黒い影ではなく胆囊内に出た反復エコーなので、多重反射を選びます。

選択肢の確認

1.誤り。
音響陰影は、胆石や石灰化などの強く減衰・反射する構造の後方に、黒い影として描出されるアーチファクトです。提示画像の矢印部は後方に伸びる無エコーの影ではなく、胆囊内の反復エコーです。

2.誤り。
外側陰影は、嚢胞や胆囊などの曲面辺縁で超音波が屈折・反射し、辺縁の後方に影が出る現象です。矢印部のように胆囊内へ線状エコーが繰り返し出る像とは異なります。

3.誤り。
鏡面反射は、横隔膜などの強い反射面を鏡のようにして、構造物が反対側や深部に重複して見えるアーチファクトです。典型例は横隔膜を介して肝内病変が胸腔側に重複して見える像です。提示画像の所見とは合いません。

4.誤り。
側方陰影は、超音波ビームの屈折や減衰により、構造物の側方から後方に影が出る現象です。嚢胞性病変や胆囊辺縁でみられることがありますが、矢印で示される胆囊内の反復エコーそのものを説明するものではありません。

5.正しい。
多重反射は、強い反射面の間で超音波が何度も反射し、本来存在しないエコーが深部方向に繰り返し表示されるアーチファクトです。提示画像では、胆囊内の無エコー領域に反復する線状エコーがみられるため、多重反射が最も適切です。

覚えるポイント

  • 多重反射は、超音波が反射面の間で繰り返し反射して生じます。
  • 画像上は、本来ないエコーが深部方向に反復して表示されます。
  • 胆囊、膀胱、嚢胞などの無エコー領域内に偽エコーとして出ることがあります。
  • 音響陰影は後方の黒い影、多重反射は反復する偽エコーとして区別します。
  • 超音波アーチファクトは、所見が「黒く抜ける」のか「偽エコーが出る」のかをまず確認します。
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