78PM61|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
放射平衡の説明で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3.親核種と娘核種の壊変率の比が一定となる状態である。
この問題のポイント
放射平衡とは、親核種が壊変して娘核種を作り、その娘核種もさらに壊変していくときに、親核種と娘核種の放射能、つまり壊変率の関係が一定になる状態です。
ここで重要なのは、放射平衡は
- 原子番号が同じになることではない
- エネルギー状態が同じになることではない
- 親核種の壊変が止まることではない
という点です。
放射平衡で一定になるのは、親核種と娘核種の壊変率の比 です。
したがって、正答は
3.親核種と娘核種の壊変率の比が一定となる状態である。
です。
解説
放射性核種が壊変すると、別の核種ができます。
最初に壊変する核種を 親核種、親核種から生成される核種を 娘核種 といいます。
たとえば、
親核種 → 娘核種 → さらに別の核種
というように壊変系列が続くことがあります。
このとき、娘核種は親核種の壊変によって作られます。
一方で、娘核種自身も放射性であれば、娘核種も壊変して減っていきます。
つまり、娘核種には次の2つの変化が同時に起こります。
- 親核種から作られて増える
- 娘核種自身が壊変して減る
時間が経つと、この増える速さと減る速さの関係が一定になり、親核種と娘核種の壊変率の比が一定になります。
この状態を 放射平衡 といいます。
放射平衡のイメージ
壊変率は、放射能と同じ意味で考えます。
壊変率は、
単位時間あたりに何個の原子核が壊変するか
を表します。
放射平衡では、親核種と娘核種の壊変率が時間とともにまったく同じ値になるとは限りません。
重要なのは、両者の壊変率の 比 が一定になることです。
特に、親核種の半減期が娘核種より非常に長い場合には、永続平衡が成立し、親核種と娘核種の放射能がほぼ等しくなります。
一方、親核種の半減期が娘核種より長いものの、極端に長いわけではない場合には、過渡平衡が成立します。
この場合も、親核種と娘核種の壊変率の比は一定になります。
選択肢の確認
1.親核種の半減期が娘核種より短いときに成立する。
誤りです。
放射平衡が成立するには、一般に親核種の半減期が娘核種より長いことが必要です。
親核種の半減期が娘核種より短いと、親核種が先に急速に減ってしまい、娘核種との壊変率の比が一定になる平衡状態は成立しにくくなります。
2.親核種と娘核種の原子番号が等しくなることである。
誤りです。
放射平衡は、原子番号が等しくなることではありません。
壊変の種類によって原子番号は変化することがありますが、放射平衡で注目するのは原子番号ではなく、親核種と娘核種の壊変率の関係です。
3.親核種と娘核種の壊変率の比が一定となる状態である。
正しいです。
放射平衡とは、親核種と娘核種の壊変率、つまり放射能の比が一定になる状態です。
永続平衡や過渡平衡では、この壊変率の関係が一定になります。
これが本問の正答です。
4.親核種の壊変は停止し、娘核種のみが放射線を放出する。
誤りです。
放射平衡になっても、親核種の壊変が止まるわけではありません。
親核種も娘核種も壊変を続けています。
ただし、それぞれの壊変率の関係が一定になるだけです。
5.親核種と娘核種のエネルギー状態が等しくなることである。
誤りです。
放射平衡は、核種のエネルギー状態が等しくなることではありません。
親核種と娘核種は別の核種であり、壊変形式や放出する放射線のエネルギーも異なることがあります。
放射平衡で問題になるのは、エネルギーではなく壊変率の比です。
覚えるポイント
放射平衡は、親核種と娘核種の 壊変率の関係 で考えます。
- 親核種が壊変して娘核種を作る
- 娘核種も壊変して減る
- 時間が経つと、親核種と娘核種の壊変率の比が一定になる
- この状態を放射平衡という
また、放射平衡には代表的に次の2つがあります。
- 永続平衡:親核種の半減期が娘核種より非常に長い場合
- 過渡平衡:親核種の半減期が娘核種より長いが、極端には長くない場合
この問題では、放射平衡の定義を問うているため、正しい選択肢は
3.親核種と娘核種の壊変率の比が一定となる状態である。
です。