111PM005|第111回 看護師国家試験 過去問

看護師免許を付与するのはどれか。

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正解: 2

正答

2.厚生労働大臣

この問題のポイント

看護師の免許を与える権限が誰にあるかを問う、関係法規の基本問題です。問題文の「看護師」という職種名が手がかりです。**保健師助産師看護師法(保助看法)**では、国家試験に合格した者に厚生労働大臣が免許を与えると定めています。都道府県知事が免許を与える准看護師との違いは、この分野で繰り返し問われます。

解説

保助看法は、看護職の資格要件、免許、業務を定めた法律です。同法では、看護師になろうとする者は看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならないと規定しています。

保健師と助産師の免許も厚生労働大臣が与えます。取得には、それぞれの国家試験に加えて、看護師国家試験にも合格している必要があります。

看護師免許を得るまでの流れは次のとおりです。

  • 試験の実施:看護師国家試験は、厚生労働大臣が毎年少なくとも1回行います。
  • 申請:合格者は申請書を、住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に提出します。実際の受付窓口は住所地の保健所であることが多いです。
  • 登録:厚生労働省に備えられた看護師籍に登録されることで、免許が与えられます。その後、免許証が交付されます。

つまり、国家試験に合格しただけでは、まだ看護師ではありません。籍に登録された時点で免許の効力が生じます。保助看法は、看護師でない者が療養上の世話や診療の補助を業として行うことを禁じています(業務独占)。そのため、登録が済むまでは看護師としてこれらの業務を行えません。就職時に免許証や登録済証明書を確認するのは、このためです。

これと対になるのが准看護師です。

  • 准看護師は、都道府県知事が行う准看護師試験に合格し、都道府県知事の免許を受けます。
  • 准看護師籍は都道府県に備えられます。

保健師・助産師・看護師は「国(厚生労働大臣)」、准看護師は「都道府県(知事)」です。試験の実施者、免許を与える者、籍の置き場所が、それぞれそろって対応しています。

免許を与えた者は、行政処分を行う者でもあります。看護師が次の場合に該当したとき、厚生労働大臣は処分を行うことができます。

  • 対象となる場合:罰金以上の刑、看護職の業務に関する犯罪や不正行為などの欠格事由(保助看法第9条)に該当したとき、または看護師としての品位を損なう行為があったとき
  • 処分の種類:戒告、3年以内の業務停止、免許の取消し
  • 手続き:厚生労働大臣は、処分の前に医道審議会の意見を聴かなければなりません。
  • 処分後:戒告や業務停止を受けた者などに、再教育研修の受講を命じることができます。

保助看法第9条の欠格事由は、次の4つです。

  • ①罰金以上の刑に処せられた者
  • ②保健師・助産師・看護師・准看護師の業務に関し、犯罪または不正の行為があった者
  • ③心身の障害により業務を適正に行うことができない者として、厚生労働省令で定めるもの
  • ④麻薬、大麻またはあへんの中毒者

いずれも「免許を与えないことがある」という相対的欠格事由です。准看護師に対する同様の処分は、都道府県知事が行います。

免許を取った後にも、都道府県知事が関わる手続きがあります。

  • 業務従事者届:業務に従事する看護師は、2年ごとに、その年の12月31日現在の状況を、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ届け出ます。
  • 籍の訂正:氏名や本籍地都道府県など籍の登録事項が変わったときは、30日以内に籍の訂正を申請します。

「届出先」や「申請の経由先」と「免許を与える者」を混同しないことが大切です。

選択肢の確認

1.保健所長:保健所長は、地域保健法に基づいて設置される保健所の長で、原則として医師が充てられます。保健所は免許申請書の受付窓口になることが多いものの、これは都道府県知事を経由して厚生労働大臣へ書類を届けるための事務にすぎません。保健所長に免許を与える権限はありません。申請書を出す場所と免許を与える者を取り違えやすいため、注意が必要です。

2.厚生労働大臣:正答。保助看法は、看護師国家試験に合格した者に厚生労働大臣が免許を与えると定めています。免許は、厚生労働省の看護師籍への登録によって効力が生じます。保健師と助産師の免許も厚生労働大臣が与えます。国家試験の実施と、免許取消しなどの行政処分も厚生労働大臣が行います。

3.都道府県知事:都道府県知事が免許を与えるのは准看護師です。准看護師試験を実施するのも都道府県知事で、准看護師籍も都道府県に置かれます。看護師との関係では、都道府県知事は免許申請の経由先であり、2年ごとの業務従事者届の届出先でもあります。しかし、看護師免許を与える立場ではありません。設問が「准看護師免許を付与するのはどれか」であれば、この選択肢が正答になります。

4.文部科学大臣:文部科学大臣は、学校教育法に基づく大学などを、看護師国家試験の受験資格が得られる学校として指定する立場にあります。つまり、関わるのは看護教育(養成課程)の側面で、免許の付与には関与しません。なお、看護師養成所の指定は都道府県知事が行います。いずれも「受験資格を得るための教育機関」に関する権限であり、免許とは区別します。

覚えるポイント

  • 保健師・助産師・看護師は、厚生労働大臣が実施する国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受け、厚生労働省の籍に登録されます。准看護師は、試験・免許・准看護師籍のいずれも都道府県知事の管轄です。
  • 免許の効力は籍への登録で生じます。申請は住所地の都道府県知事を経由し、実際の窓口は保健所であることが多いです。
  • 行政処分(戒告、3年以内の業務停止、免許の取消し)は、免許を与えた者が行います。厚生労働大臣は、処分の前に医道審議会の意見を聴きます。
  • 欠格事由(保助看法第9条)は、罰金以上の刑、看護職の業務に関する犯罪・不正行為、心身の障害(省令で規定)、麻薬・大麻・あへんの中毒の4つです。いずれも相対的欠格事由です。
  • 業務従事者届は2年ごとに、12月31日現在の状況を翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ提出します。籍の登録事項が変わったときは、30日以内に訂正を申請します。
  • 同じ構図の資格に、管理栄養士(厚生労働大臣が免許を与える)と栄養士(都道府県知事が免許を与える)があります。「上位の国家資格は国、准・一般の資格は都道府県」と整理すると覚えやすくなります。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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