111PM004|第111回 看護師国家試験 過去問
介護保険における被保険者の要支援状態に関する保険給付はどれか。
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正解: 4
正答
4.予防給付
この問題のポイント
介護保険法が定める保険給付の種類と、それぞれがどの状態の被保険者を対象とするかを問う問題です。問題文の「要支援状態に関する保険給付」は、法律上の予防給付の定義にあたる表現です。「要介護は介護給付」「要支援は予防給付」という対応を押さえ、介護保険以外の制度の給付と区別できるかが鍵になります。
解説
介護保険の保険給付は3種類
介護保険法第18条は、保険給付を次の3つに分けています。
- 介護給付:被保険者の要介護状態に関する保険給付です。要介護1〜5が対象です。
- 予防給付:被保険者の要支援状態に関する保険給付です。要支援1・2が対象です。
- 市町村特別給付:要介護状態・要支援状態の軽減や悪化防止に役立つものとして、市町村が条例で独自に定める給付です(配食サービス、移送サービスなど)。財源は第1号被保険者の保険料です。
問題文はこの条文の言い回しに沿っているため、対応を知っていればすぐに選べます。
どの給付を受けるかは要介護認定で決まる
被保険者は、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)に分かれます。第2号被保険者が給付を受けられるのは、特定疾病が原因で要介護・要支援になった場合に限られます。
利用の手続きは次のとおりです。
- 保険者である市町村(特別区を含む)に申請します。
- 認定調査と主治医意見書をもとに、介護認定審査会が審査・判定します。
- その結果に基づいて市町村が認定します。
要支援1・2と認定されれば予防給付、要介護1〜5なら介護給付の対象です。非該当(自立)と判定された人は保険給付を受けられませんが、市町村の地域支援事業による介護予防の取り組みなどは利用できます。
予防給付の特徴
「予防」という名称のとおり、要支援の段階で生活機能の低下を食い止め、要介護状態になるのを防ぐことが目的です。
- サービス名に「介護予防」が付きます。例として、介護予防訪問看護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防福祉用具貸与があります。
- 要支援者は施設サービス(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)を利用できません。
- 介護予防サービス計画(介護予防ケアプラン)は、出題当時は地域包括支援センターが指定介護予防支援事業者として作成していました(業務の一部を居宅介護支援事業所へ委託することは可能)。2024年度からは、居宅介護支援事業所も市町村の指定を受ければ介護予防支援を直接行えるようになっています。
- 2014年の法改正により、介護予防訪問介護と介護予防通所介護は予防給付から外れました。これらは、市町村が行う地域支援事業の一つである介護予防・日常生活支援総合事業へ、2015年度から段階的に移行しています。出題当時もこの体制です。
実践の場面では、看護師は退院支援や在宅療養の調整で、患者の認定区分によって使える給付や相談窓口が変わることを踏まえる必要があります。たとえば訪問看護は、要介護者・要支援者では原則として介護保険が優先され、要支援者なら介護予防訪問看護として予防給付から提供されます。ただし、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合や、特別訪問看護指示書が交付された期間は、医療保険からの給付になります。
選択肢の確認
1.医療給付:医療保険制度(健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度など)で、病気やけがの診察・治療に対して行われる給付であり、介護保険法が定める保険給付の種類には含まれません。介護保険にも訪問看護や居宅療養管理指導といった医療系のサービスはありますが、それらは介護給付・予防給付の中に位置づけられています。「医療給付」という区分が介護保険にあるわけではない点に注意します。
2.介護給付:介護保険の保険給付ではありますが、対象は要介護1〜5と認定された被保険者で、「要介護状態に関する保険給付」です。居宅サービスに加えて施設サービスも含み、在宅の場合のケアプランは主に居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成します。問題文が「要介護状態」であれば正答になる選択肢で、要支援との取り違えをねらっています。
3.年金給付:国民年金・厚生年金などの公的年金制度から支給される、老齢・障害・遺族に対する給付であり、介護保険の保険給付ではありません。介護保険との接点としては、年金額が年18万円以上の第1号被保険者は、介護保険料が年金から天引き(特別徴収)されるという保険料徴収の仕組みが出題されることがあります。
4.予防給付:正答。要支援1・2と認定された被保険者に対する「要支援状態に関する保険給付」が予防給付です。要介護状態への移行を防ぐことを目的とし、介護予防訪問看護などの介護予防サービスを提供します。ケアプランは、地域包括支援センターが中心になって作成します。
覚えるポイント
- 介護保険の保険給付は3種類です。介護給付は要介護1〜5、予防給付は要支援1・2が対象で、市町村特別給付は市町村が条例で独自に定めます。
- 保険者と要介護認定の申請先は市町村(特別区を含む)です。審査・判定は介護認定審査会が行います。
- 要支援者は施設サービスを利用できません。介護予防ケアプランは地域包括支援センターが中心に作成します(2024年度からは居宅介護支援事業所も指定を受ければ作成可能)。
- 旧介護予防訪問介護・介護予防通所介護は、介護予防・日常生活支援総合事業へ移行済みです。地域支援事業は「保険給付」ではなく市町村の「事業」です。
- 第2号被保険者(40〜64歳の医療保険加入者)が給付の対象になるのは、特定疾病が原因の要介護・要支援に限られます。
- 医療給付は医療保険、年金給付は年金保険の給付で、どちらも介護保険とは別の制度です。
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