111AM004|第111回 看護師国家試験 過去問

後期高齢者医療制度の被保険者は、区域内に住居を有する( )歳以上の者、および65歳以上( )歳未満であって、政令で定める程度の障害の状態にあるとして後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。( )に入るのはどれか。

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正解: 2

正答

2.75

この問題のポイント

後期高齢者医療制度の被保険者の年齢要件を問う基本問題です。被保険者は「75歳以上」と「障害認定を受けた65歳以上75歳未満」の二本立てで、2か所の( )にはどちらも75が入ります。前期高齢者(65〜74歳)や介護保険の年齢区分と混同しないことが大切です。

解説

問題文には( )が2か所あります。後半の「65歳以上( )歳未満」は、障害があれば原則の加入年齢より早く加入できる年齢層を示しています。そのため、前半の原則加入年齢と後半の上限は同じ数字でなければ文が成り立ちません。65歳より上で、制度の原則加入年齢となる数字を思い出せば解けます。

制度の概要

  • 根拠法は高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)です。老人保健法を改正・改称したもので、2008年(平成20年)4月に後期高齢者医療制度が始まりました。
  • 運営主体は後期高齢者医療広域連合です。都道府県ごとに、区域内のすべての市町村が加入して設立します。広域連合は保険料率の決定、被保険者の資格管理、医療給付を担い、保険料の徴収や各種申請の窓口は市町村が担います。
  • 被保険者は、広域連合の区域内に住所を有する75歳以上の者と、65歳以上75歳未満で政令で定める程度の障害の状態にあると広域連合の認定を受けた者です。75歳の誕生日から、それまで加入していた国民健康保険や被用者保険(健康保険組合、協会けんぽ、共済組合など)を離れ、この制度に移ります。被扶養者という仕組みはなく、一人ひとりが被保険者として保険料を負担します。
  • 障害認定は本人の申請に基づく仕組みです。認定を受けるかどうかは本人が選べ、後から撤回することもできます。障害の程度の目安は、身体障害者手帳1〜3級(4級の一部を含む)、精神障害者保健福祉手帳1・2級、障害年金1・2級などです。
  • 生活保護受給者は被保険者になりません。医療は医療扶助で賄われます。
  • 財源の構成は、公費が約5割(国:都道府県:市町村=4:1:1)、現役世代が加入する医療保険からの後期高齢者支援金が約4割、被保険者の保険料が約1割です。

窓口負担と前期高齢者との違い

出題当時(2022年2月)の窓口負担は、原則1割、現役並み所得者は3割でした。現在は、2022年(令和4年)10月から一定以上の所得がある人に2割負担が加わり、1割・2割・3割の3区分になっています。

65〜74歳は前期高齢者と呼ばれます。ただし独立した保険制度に加入するのではなく、国民健康保険や被用者保険に加入したままです。前期高齢者は国民健康保険に多く加入しているため、保険者間で負担に偏りが生じます。この偏りは前期高齢者財政調整制度で調整されます。70〜74歳の窓口負担は原則2割(現役並み所得者は3割)です。

高齢患者の入退院支援では、加入している保険制度によって窓口負担や高額療養費の自己負担限度額が変わります。75歳前後の患者や、障害のある65歳以上の患者から経済面の相談を受けたときは、どの制度に属しているかを確認する視点が役立ちます。健康診査も年齢で実施主体が分かれます。40〜74歳は医療保険者に実施が義務づけられた特定健康診査、75歳以上は広域連合が保健事業として行う健康診査(努力義務)です。

選択肢の確認

1.70:70歳は窓口負担が原則2割(現役並み所得者3割)に変わる境目で、医療保険者から高齢受給者証が交付される年齢です。70〜74歳は前期高齢者として従来の医療保険に加入したままで、後期高齢者医療制度の被保険者にはなりません。かつての老人保健制度では医療の対象が70歳以上だった時期があり、段階的に75歳へ引き上げられました。この経緯と混同しないよう注意します。

2.75:正答。高齢者医療確保法では、区域内に住所を有する75歳以上の者と、65歳以上75歳未満で障害認定を受けた者を被保険者としています。2か所の( )のどちらにも当てはまり、原則の加入年齢と障害による早期加入の上限が一致します。

3.80:80歳は後期高齢者医療制度の加入要件とは関係がなく、医療保険や介護保険の年齢区分に用いられる数字でもありません。歯科保健の8020運動(80歳で自分の歯を20本以上保つ)で目にする数字なので、印象だけで選ばないよう注意します。

4.85:85歳は医療保険制度上の区分として定められた年齢ではなく、加入年齢の起点である75歳より10歳も高いため該当しません。「後期」という語から高い年齢を連想しがちですが、後期高齢者は75歳以上を指します。

覚えるポイント

  • 後期高齢者医療制度の被保険者は、75歳以上の者と、65〜74歳で一定の障害があり広域連合の認定を受けた者です(認定を受けるかは本人が選択)。生活保護受給者は除外されます。
  • 運営主体は後期高齢者医療広域連合(都道府県単位、全市町村が加入)で、保険料の徴収と窓口業務は市町村が担います。根拠法は高齢者医療確保法で、2008年4月に始まりました。
  • 財源は、公費約5割(国4:都道府県1:市町村1)、後期高齢者支援金約4割、保険料約1割です。
  • 窓口負担は、出題当時は1割(現役並み所得者3割)でした。2022年10月からは一定以上の所得者に2割が加わっています。ほかの年齢層は、70〜74歳が原則2割、義務教育就学後〜69歳が3割です。
  • 年齢区分の整理:介護保険の第1号被保険者は65歳以上、第2号は40〜64歳の医療保険加入者、特定健康診査は40〜74歳、前期高齢者は65〜74歳、後期高齢者は75歳以上です。

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