Y2024M10Q4|2024年10月公表 エックス線作業主任者免許試験 過去問
エックス線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 3
正答
(3)
この問題のポイント
光電効果では入射光子が全エネルギーを軌道電子へ渡して消滅し、光電子を放出します。電子対生成には電子と陽電子の二粒子を作る1.022 MeV以上が必要で、電子1個分の0.511 MeVでは不足します。
解説
光電効果は光子が消滅して光電子を出し、コンプトン効果は反跳電子とエネルギーの低い散乱光子を残します。電子対生成のしきい値は1.022 MeVです。
コンプトン散乱光子は反跳電子へエネルギーを渡すので、入射光子よりエネルギーが低く波長が長くなります。
選択肢の確認
1.コンプトン効果により散乱されるエックス線の中には、入射エックス線より波長の短いものがある。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 コンプトン散乱光子は反跳電子へエネルギーを渡すので、入射光子よりエネルギーが低く波長が長くなります。短くなることはありません。
2.コンプトン効果は、必ず特性エックス線の発生を伴う。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 コンプトン効果は主に弱く束縛された電子との非弾性散乱であり、内殻空孔を必ず作る過程ではないため、特性X線を常に伴いません。
3.光電効果が生じる確率は、入射エックス線のエネルギーが増大すると、コンプトン効果に比べて急激に低下する。
判定:正答(記述・組合せは正しい)。 光電効果の発生確率は光子エネルギーの上昇とともに急速に低下します。高エネルギーほど光電吸収の寄与が小さくなる関係です。
4.光電効果により光子エネルギーが原子に吸収されて光子は消滅し、このとき入射エックス線に等しい運動エネルギーを持つ電子が放出される。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 光電効果では入射光子が全エネルギーを軌道電子へ渡して消滅し、光電子を放出します。発生確率は概して原子番号が大きいほど増え、光子エネルギーが高いほど急減します。
5.電子対生成は、入射エックス線のエネルギーが、電子1 個の静止質量に相当するエネルギー以上であるときに生じる。
判定:正答ではない(記述・組合せは誤り)。 電子対生成には電子と陽電子の二粒子を作る1.022 MeV以上が必要で、電子1個分の0.511 MeVでは不足します。
覚えるポイント
光電効果の発生確率は光子エネルギーの上昇とともに急速に低下します。コンプトン効果は主に弱く束縛された電子との非弾性散乱であり、内殻空孔を必ず作る過程ではないため、特性X線を常に伴いません。