17AM10|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
結核の排菌患者が使用した食器の消毒で最も適切なのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
結核菌の消毒を問う問題です。結核菌が消毒薬に強いという性質から考えます。
解説
結核菌は抗酸菌の一種で、細胞壁にろう質(脂質)を多く含むため、乾燥に強く、多くの消毒薬に抵抗性を示すという特徴があります。したがって、結核菌の消毒には加熱あるいは中水準以上の消毒薬を選ぶ必要があります。
煮沸消毒は、沸騰した湯の中で15分以上煮る方法です。結核菌を含むほとんどの栄養型細菌とウイルスを死滅させることができ、食器や器具の消毒として確実で簡便、かつ薬剤の残留がないという利点があります。したがって、排菌患者が使用した食器の消毒として最も適切であり、正答は3です。なお、芽胞は煮沸では死滅しないため、煮沸は滅菌ではなく消毒である点に注意します。
他の選択肢を確認します。
クロルヘキシジンは、低水準消毒薬に分類されます。手指や皮膚の消毒に広く用いられますが、結核菌、芽胞、多くのウイルスには無効です。したがって結核菌の消毒には適しません。
次亜塩素酸ナトリウムは中水準消毒薬で、ノロウイルスや芽胞にも一定の効果を示す強力な薬剤です。ただし、有機物(食物残渣、蛋白質)によって著しく失活すること、金属を腐食させること、漂白作用があり、酸性物質と混ざると有毒な塩素ガスが発生することから、食器の消毒法としては煮沸の方が適切とされます。
**低温殺菌(パスツリゼーション)**は、摂氏60度台で30分程度加熱する方法で、牛乳などの食品の品質を保ちながら病原菌を減らす目的で行われます。食品の処理法であり、患者が使用した食器の消毒法として一般に選ばれるものではありません。
なお、結核は感染症法の二類感染症であり、空気感染(飛沫核感染)で広がります。予防にはN95マスクの着用と陰圧室での管理が重要です。食器を介した感染は主要な経路ではない点も理解しておきます。
選択肢の確認
1.クロルヘキシジン
誤り。低水準消毒薬であり、結核菌には無効です。
2.次亜塩素酸ナトリウム
誤り。中水準消毒薬ですが、有機物で失活し金属を腐食するため食器には適しません。
3.煮沸消毒
正しい。沸騰水中で15分以上煮ることで結核菌を確実に死滅させられます。
4.低温殺菌
誤り。牛乳など食品の処理法であり、食器の消毒法ではありません。
覚えるポイント
- 結核菌はろう質に富み消毒薬に抵抗性。消毒には加熱(煮沸)や中水準以上の薬剤を用いる。
- 煮沸消毒=沸騰水中で15分以上。芽胞は死滅しないため滅菌ではない。
- 結核は二類感染症、空気感染。N95マスクと陰圧室で管理する。