17AM2|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
施術者の倫理について誤っているのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
施術者の職業倫理を問う問題です。患者の求めにそのまま応じることが倫理的とは限らないという点が核心です。
解説
医療倫理の基本原則は、**自律尊重(患者の自己決定を尊重する)、無危害(害を与えない)、善行(利益をもたらす)、正義(公平に扱う)**の4つとされます。施術者の倫理もこれに基づきます。
十分な情報の提供は、インフォームド・コンセントの前提であり、自律尊重の原則そのものです。施術の内容、期待される効果、起こりうる有害事象(内出血、灸あたり、熱傷、気胸など)、費用を説明し、患者が理解したうえで同意を得ることが求められます。したがって適切な記述です。
患者のQOLの向上は、善行の原則にあたります。症状の軽減だけでなく、その人らしい生活を支えることが施術の目的です。したがって適切な記述です。
施術内容の記録保持は、経過の把握、他職種との情報共有、施術内容の説明責任を果たすうえで不可欠です。SOAP方式などを用いて記録します。したがって適切な記述です。
患者の要求の優先は、誤っている記述であり、正答は4です。患者の希望を尊重することは重要ですが、要求をそのまま優先することが倫理的なわけではありません。たとえば、緊急性のある病態が疑われるのに「病院に行きたくないから施術で治してほしい」と求められた場合、その要求に応じることは無危害と善行の原則に反します。また、業務範囲を超える行為(薬品の投与や外科的処置)の要求にも応じられません。施術者には、専門的な判断に基づいて、応じられないことを説明し、必要なら医療機関の受診を勧める責務があります。自律尊重は、他の原則を無視してよいという意味ではありません。
選択肢の確認
1.十分な情報の提供
適切。インフォームド・コンセントの前提であり自律尊重の原則にあたります。
2.患者のQOLの向上
適切。善行の原則にあたり、施術の目的そのものです。
3.施術内容の記録保持
適切。経過の把握、多職種連携、説明責任のために不可欠です。
4.患者の要求の優先
誤っており、これが正答。要求をそのまま優先することは無危害と善行の原則に反する場合があります。
覚えるポイント
- 医療倫理の4原則=自律尊重、無危害、善行、正義。
- 患者の要求=そのまま優先ではない。専門的判断に基づき、応じられない理由を説明する。
- 緊急性のある病態や業務範囲外の求めには、受診を勧めることが施術者の責務。