17AM24|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
胎児の血液循環について誤っている記述はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
**胎児循環の3つの短絡(バイパス)**を問う問題です。動脈管がどことどこを結ぶかが決め手です。
解説
胎児では、肺呼吸をしておらず、ガス交換と栄養の受け渡しは胎盤で行われます。そのため、肺と肝臓を大きく迂回する3つの短絡が存在します。
臍動脈は、胎児の内腸骨動脈から分かれて臍帯を通り、胎児から胎盤へ静脈血(酸素の少ない血液)を運びます。左右2本あります。したがって記述は正しいものです。一方、臍静脈は1本で、胎盤から胎児へ動脈血(酸素に富む血液)を運びます。「動脈が静脈血、静脈が動脈血」という点が胎児循環の理解の要です。出生後、臍動脈は臍動脈索、臍静脈は肝円索となります。
静脈管(アランチウス管)は、臍静脈と下大静脈を結ぶ短絡で、肝臓を迂回して酸素に富む血液を直接下大静脈に送ります。設問では「門脈と下大静脈を結ぶ」とされていますが、臍静脈は門脈に合流する部位で分岐して静脈管となるため、この表現も許容されます。出生後は静脈管索となります。
卵円孔は、心房中隔にある孔で、右心房から左心房へ血液を通し、肺を迂回させます。出生後は卵円窩となります。したがって記述は正しいものです。
動脈管(ボタロー管)は、肺動脈幹と大動脈弓(下行大動脈の起始部)を結ぶ短絡です。右心室から肺動脈に出た血液の大部分を、肺を通さずに大動脈へ送ります。設問の「肺動脈と上行大動脈を結ぶ」は誤りであり、正答は2です。正しくは大動脈弓です。出生後は動脈管索となり、閉鎖しないまま残ると動脈管開存症という先天性心疾患になります。
出生後は、肺呼吸の開始により肺血管抵抗が低下し、左心房圧が上昇することで卵円孔が閉じ、動脈血の酸素分圧の上昇により動脈管が収縮して閉鎖します。
選択肢の確認
1.臍動脈は2本である。
正しい記述。臍動脈は2本で、胎児から胎盤へ静脈血を運びます。
2.動脈管は肺動脈と上行大動脈を結ぶ。
誤っている記述であり、これが正答。動脈管は肺動脈と大動脈弓を結びます。
3.静脈管は門脈と下大静脈を結ぶ。
正しい記述。肝臓を迂回して下大静脈へ血液を送る短絡です。
4.卵円孔は心房中隔にある。
正しい記述。右心房から左心房へ血液を通し、出生後は卵円窩となります。
覚えるポイント
- 胎児の3短絡=静脈管(肝を迂回)、卵円孔(心房中隔)、動脈管(肺動脈と大動脈弓)。
- 臍動脈2本は静脈血、臍静脈1本は動脈血。名称と血液の性状が逆になる。
- 出生後=臍動脈索、肝円索、静脈管索、卵円窩、動脈管索。動脈管が残れば動脈管開存症。