17AM34|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
意識的に排便を抑えるのはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
排便の神経支配を問う問題です。随意的に締められるのはどの筋かという視点で考えます。
解説
排便は、次の神経によって調節されます。
**骨盤神経(副交感神経、S2からS4)**は、直腸の平滑筋を収縮させ、内肛門括約筋を弛緩させて排便を促します。
下腹神経(交感神経、T11からL2)は、逆に直腸を弛緩させ、内肛門括約筋を収縮させて便を貯留させます。
陰部神経(体性神経、S2からS4)は、外肛門括約筋(横紋筋)を支配します。横紋筋であるため随意的に収縮させることができ、便意を感じても状況が許さないときに意識的に排便を抑えることができます。したがって正答は1です。
排便反射の流れを確認します。便が直腸に入って壁が伸展されると、その情報が骨盤神経を通じて仙髄の排便中枢に伝わり、反射的に直腸が収縮し内肛門括約筋が弛緩します。同時に、情報は大脳皮質にも伝わって便意として自覚されます。ここで排便してよい状況であれば、陰部神経の活動を低下させて外肛門括約筋を弛緩させ、あわせて**腹圧をかける(いきむ)**ことで排便が完了します。逆に抑えたい場合は、陰部神経の活動を高めて外肛門括約筋を随意的に収縮させます。
他の選択肢を確認します。
下腹神経の抑制は、直腸の弛緩と内肛門括約筋の収縮という貯留の働きを弱める方向であり、排便を抑えることにはなりません。
横隔神経の興奮は、横隔膜を収縮させて吸息を起こすものです。いきむ際には横隔膜と腹筋の収縮によって腹圧を高めますが、これは排便を促す働きであり、抑える働きではありません。
骨盤神経の興奮は、直腸を収縮させ内肛門括約筋を弛緩させるため、排便を促す働きです。
なお、排尿でも同じ構造があり、外尿道括約筋を陰部神経が随意的に支配しています。
選択肢の確認
1.陰部神経の興奮
正しい。外肛門括約筋を随意的に収縮させて排便を抑えます。
2.下腹神経の抑制
誤り。貯留の働きを弱める方向であり、抑制にはなりません。
3.横隔神経の興奮
誤り。横隔膜の収縮であり、いきむ動作では排便を促します。
4.骨盤神経の興奮
誤り。直腸を収縮させ内肛門括約筋を弛緩させて排便を促します。
覚えるポイント
- 骨盤神経(副交感)=排便を促す、下腹神経(交感)=貯留、陰部神経(体性)=外肛門括約筋を随意的に支配。
- 排便中枢は仙髄(S2からS4)。直腸壁の伸展が引き金となる。
- 排尿でも同じ構造=骨盤神経で排尿、下腹神経で蓄尿、陰部神経が外尿道括約筋。