17AM38|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
標的細胞の細胞膜にある受容体と結合して生理作用を発現するホルモンはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
ホルモンの受容体の位置を問う問題です。水溶性か脂溶性かで受容体の場所が決まります。
解説
ホルモンは、化学構造によって次のように分類され、それに応じて受容体の位置と作用の仕方が異なります。
水溶性ホルモンは、細胞膜を通過できないため、細胞膜の表面にある受容体に結合します。結合すると、細胞内でセカンドメッセンジャー(サイクリックAMP、カルシウムイオン、イノシトール三リン酸など)が産生され、酵素の活性化を介して速やかに作用が現れます。ここに属するのは、**ペプチドホルモンと蛋白ホルモン(インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、下垂体ホルモンなど)**と、**カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)**です。
アドレナリンは副腎髄質から分泌されるカテコールアミンであり、**細胞膜のアドレナリン受容体(アルファ受容体、ベータ受容体)**に結合して作用します。したがって正答は2です。心臓のベータ1受容体では心拍数と収縮力の増加、気管支のベータ2受容体では平滑筋の弛緩、血管のアルファ1受容体では収縮、というように、受容体の種類によって効果が変わります。
脂溶性ホルモンは、細胞膜を自由に通過できるため、細胞質または核内の受容体に結合します。ホルモンと受容体の複合体がDNAに作用して遺伝子の転写を調節し、蛋白質の合成を変えることで作用を発揮します。そのため、作用の発現は遅いが持続が長いという特徴があります。ここに属するのは、**ステロイドホルモン(コルチゾール、アルドステロン、エストラジオール、テストステロン)**と、甲状腺ホルモン(サイロキシン、トリヨードサイロニン)、そして活性型ビタミンDです。
したがって、コルチゾール、サイロキシン、エストラジオールは、いずれも細胞内(核内)受容体に結合するホルモンであり、細胞膜の受容体ではありません。
なお、甲状腺ホルモンはアミノ酸(チロシン)由来でありながら脂溶性で核内受容体に作用するという例外的な性質をもつため、混同しやすい点として注意が必要です。
選択肢の確認
1.コルチゾール
誤り。ステロイドホルモンであり核内受容体に結合します。
2.アドレナリン
正しい。カテコールアミンであり細胞膜の受容体に結合します。
3.サイロキシン
誤り。脂溶性で核内受容体に結合します。
4.エストラジオール
誤り。ステロイドホルモンであり核内受容体に結合します。
覚えるポイント
- 水溶性(ペプチド、蛋白、カテコールアミン)=細胞膜受容体、セカンドメッセンジャー、速効性。
- 脂溶性(ステロイド、甲状腺ホルモン)=核内受容体、遺伝子発現の調節、遅効性で持続が長い。
- 甲状腺ホルモンはアミノ酸由来だが脂溶性で核内受容体という例外に注意。