17AM39|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
化学シナプス伝達の特徴として誤っている記述はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
化学シナプス伝達の特徴を問う問題です。シナプス遅延の実際の値を覚えているかが決め手です。
解説
化学シナプスでは、シナプス前終末から神経伝達物質が放出され、シナプス後膜の受容体に結合することで情報が伝えられます。その特徴を確認します。
一方向性伝達であることは正しい記述です。伝達物質はシナプス前終末からのみ放出され、受容体はシナプス後膜にあるため、情報は必ず前から後ろへ一方向に伝わります。これに対し、神経線維上の興奮の伝導は両方向性であり、この違いが重要です。
シナプス遅延については、実際はおよそ0.5から1ミリ秒です。これは、活動電位の到達からカルシウムイオンの流入、シナプス小胞の融合と伝達物質の放出、拡散、受容体への結合という一連の過程に要する時間です。設問の「100ミリ秒」は桁が大きく異なるため誤りであり、正答は2です。多くのシナプスを経る多シナプス反射では、この遅延が積み重なるため、単シナプス反射(伸張反射)に比べて潜時が長くなります。
化学伝達物質によって興奮性が決まることも正しい記述です。同じ神経でも、放出される伝達物質と受容体の組合せによって、シナプス後膜が脱分極する(興奮性シナプス後電位)か、過分極する(抑制性シナプス後電位)かが決まります。グルタミン酸とアセチルコリンは主に興奮性、GABAとグリシンは主に抑制性として働きます。
疲労しやすいことも正しい記述です。高頻度の刺激が続くと、シナプス小胞内の伝達物質が枯渇し、伝達が低下します。これに対し神経線維は疲労しにくいという違いがあります。
そのほかの化学シナプスの特徴として、加重(空間的加重と時間的加重)が起こること、低酸素や薬物の影響を受けやすいことがあります。
選択肢の確認
1.一方向性伝達である。
正しい記述。伝達物質と受容体の配置により一方向に伝わります。
2.シナプス遅延が100msある。
誤っている記述であり、これが正答。シナプス遅延はおよそ0.5から1ミリ秒です。
3.化学伝達物質によって興奮性が決まる。
正しい記述。伝達物質と受容体の組合せで興奮性か抑制性かが決まります。
4.疲労しやすい。
正しい記述。伝達物質の枯渇により疲労しやすくなります。
覚えるポイント
- シナプス伝達=一方向性、シナプス遅延(0.5から1ミリ秒)、易疲労、加重が起こる、薬物の影響を受けやすい。
- 神経線維の伝導=絶縁性、両側性、不減衰。伝達と伝導を区別する。
- 興奮性伝達物質=グルタミン酸、アセチルコリン。抑制性=GABA、グリシン。