17AM41|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
視床下部に調節中枢がないのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
視床下部が担う中枢を問う問題です。排尿中枢がどこにあるかが決め手になります。
解説
視床下部は間脳の腹側にある小さな領域ですが、内部環境の恒常性(ホメオスタシス)を維持する最高中枢として、きわめて多くの機能を担っています。
視床下部にある主な中枢は次のとおりです。
体温調節中枢があり、セットポイントを設定して熱産生と熱放散のバランスを調節します。
摂食中枢と満腹中枢があり、血糖値や遊離脂肪酸、レプチンなどの情報を受けて食欲を調節します。したがって血糖の調節にも関与します。
渇中枢があり、血漿浸透圧の上昇を感知して飲水行動を起こします。あわせて**バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)**の分泌を調節するため、水分の調節の中枢でもあります。
そのほか、睡眠と覚醒のリズム(視交叉上核の体内時計)、性行動と生殖、情動行動、自律神経の統合、そして下垂体を介した内分泌の調節を担います。
これに対し、排尿の中枢は視床下部にはありません。したがって正答は4です。排尿に関わる中枢は、仙髄(S2からS4)の排尿中枢と、それを統合する橋の排尿中枢、そして随意的な制御を行う大脳皮質にあります。仙髄が反射弓の中心となり、橋がその協調(排尿筋の収縮と外尿道括約筋の弛緩のタイミング合わせ)を担い、大脳が状況に応じた抑制と許可を行うという階層構造です。
脊髄損傷では、損傷部位より上位との連絡が絶たれるため、橋と大脳による制御が失われ、反射性膀胱(仙髄レベルの反射のみで排尿が起こる)や尿閉が生じます。
なお、延髄には呼吸中枢、心臓中枢、血管運動中枢、嚥下中枢、嘔吐中枢、咳中枢があり、生命維持に直結する中枢が集まっています。視床下部と延髄の役割を分けて覚えることが大切です。
選択肢の確認
1.血糖
誤り。摂食中枢と満腹中枢が血糖の情報を受けて働きます。
2.水分
誤り。渇中枢とバゾプレッシンの調節を通じて水分を調節します。
3.体温
誤り。体温調節中枢が視床下部にあります。
4.排尿
正しい。排尿中枢は仙髄と橋にあり、視床下部にはありません。
覚えるポイント
- 視床下部=体温、摂食と飲水、性行動、睡眠と覚醒、自律神経の統合、内分泌の調節。
- 排尿中枢=仙髄(S2からS4)と橋。大脳が随意的に制御。
- 延髄=呼吸、心臓、血管運動、嚥下、嘔吐、咳の中枢。