17AM42|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
筋収縮においてアクチンフィラメントとミオシン頭部の結合に必要なイオンはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
筋収縮の分子機構を問う問題です。トロポニンに結合するイオンを答えます。
解説
骨格筋の収縮は、**滑り説(フィラメント滑走説)**によって説明されます。その過程を順に確認します。
まず、運動神経の興奮が神経筋接合部に伝わり、アセチルコリンが放出されて筋線維の膜に活動電位が生じます。
活動電位はT管(横行小管)を通じて筋線維の内部へ伝わり、筋小胞体からカルシウムイオンが放出されます。
放出されたカルシウムイオンが、アクチンフィラメント上のトロポニン(トロポニンC)に結合します。すると、トロポニンの立体構造が変化し、それまでアクチンの結合部位を覆っていたトロポミオシンの位置がずれ、ミオシン頭部が結合できる部位が露出します。
こうしてミオシン頭部がアクチンに結合(クロスブリッジの形成)し、ATPのエネルギーを使って首振り運動を行い、アクチンフィラメントをたぐり寄せます。これが繰り返されることで、筋節(サルコメア)が短縮し、筋全体が収縮します。
したがって、アクチンフィラメントとミオシン頭部の結合に必要なイオンはカルシウムイオンであり、正答は1です。
弛緩する際は、カルシウムイオンがATPを使って筋小胞体に汲み戻され、トロポミオシンが再び結合部位を覆うことで、収縮が終わります。死後硬直は、ATPが枯渇してミオシン頭部がアクチンから離れられなくなるために生じます。
他のイオンの役割も確認します。ナトリウムイオンは、活動電位の脱分極を担い、細胞内へ流入します。カリウムイオンは、再分極を担って細胞外へ流出し、また静止膜電位の形成に主要な役割を果たします。水素イオンは、pHを決めるイオンであり、筋の疲労時に蓄積すると収縮力の低下に関与するとされますが、アクチンとミオシンの結合を直接引き起こすものではありません。
なお、平滑筋と心筋の収縮にもカルシウムイオンが必須であり、平滑筋ではカルモジュリンを介した機構が働きます。
選択肢の確認
1.カルシウムイオン
正しい。トロポニンに結合して結合部位を露出させます。
2.カリウムイオン
誤り。再分極と静止膜電位の形成に関わります。
3.ナトリウムイオン
誤り。活動電位の脱分極に関わります。
4.水素イオン
誤り。pHを決めるイオンであり、直接の引き金ではありません。
覚えるポイント
- 収縮=活動電位→T管→筋小胞体からカルシウム放出→トロポニンに結合→トロポミオシンがずれる→ミオシンが結合。
- 弛緩=ATPを使ってカルシウムを筋小胞体へ汲み戻す。死後硬直はATPの枯渇による。
- ナトリウムは脱分極、カリウムは再分極と静止膜電位。