17AM45|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
粉じんが吸気と共に肺に侵入して引き起こされる疾患はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
じん肺を問う問題です。粉じんの吸入によって起こる疾患を選びます。
解説
じん肺は、粉じんを長期にわたって吸入することにより、肺に不可逆的な線維化が生じる職業性の疾患です。じん肺法に基づいて健康管理が行われ、労働安全衛生法の特殊健康診断の対象でもあります。
珪肺症(けい肺)は、じん肺の代表であり、遊離ケイ酸(石英、シリカ)の粉じんを吸入することで生じます。採石業、鋳物業、窯業、トンネル工事、研磨作業などが原因作業です。肺に珪肺結節という結節性の線維化病変が形成され、進行すると拘束性換気障害をきたし、労作時呼吸困難、咳、痰が現れます。合併症として肺結核(珪肺結核)、続発性気管支炎、気胸、肺癌が知られています。したがって正答は1です。
じん肺には、このほか石綿肺(アスベスト)、炭坑夫肺(石炭粉じん)、アルミニウム肺、溶接工肺などがあります。とくに石綿(アスベスト)は、じん肺だけでなく、肺癌と悪性中皮腫を引き起こすことで大きな社会問題となりました。悪性中皮腫は潜伏期が数十年に及ぶことが特徴です。
他の選択肢を確認します。
肺胞蛋白症は、肺胞内にサーファクタント由来の蛋白様物質が蓄積する疾患で、自己免疫性のものが多く、粉じんの吸入によるものではありません(まれに粉じん曝露に伴う二次性のものもあります)。
肺塞栓症は、下肢や骨盤の深部静脈にできた血栓が流れて肺動脈を閉塞する疾患です。長時間の同一姿勢(いわゆるエコノミークラス症候群)、手術後、悪性腫瘍などが危険因子で、突然の呼吸困難、胸痛、失神をきたす緊急疾患です。粉じんとは無関係です。
気管支拡張症は、気管支が不可逆的に拡張する疾患で、反復する気道感染が主な原因です。大量の膿性痰、慢性の咳、血痰を特徴とします。
選択肢の確認
1.珪肺症
正しい。遊離ケイ酸の粉じん吸入により肺が線維化するじん肺の代表です。
2.肺胞蛋白症
誤り。肺胞内に蛋白様物質が蓄積する疾患です。
3.肺塞栓症
誤り。深部静脈血栓が肺動脈を閉塞する疾患です。
4.気管支拡張症
誤り。反復する気道感染により気管支が拡張する疾患です。
覚えるポイント
- じん肺=粉じんの吸入による不可逆的な肺の線維化。拘束性換気障害をきたす。
- 珪肺=遊離ケイ酸。合併症に肺結核、気胸、肺癌。石綿肺=肺癌と悪性中皮腫(潜伏期が長い)。
- じん肺はじん肺法と特殊健康診断の対象。