17AM46|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
静脈血が門脈に流入しないのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
門脈系に注ぐ臓器を問う問題です。消化に関わる臓器かどうかが判断の基準になります。
解説
門脈(肝門脈)は、消化管と、それに付属する臓器からの静脈血を集めて肝臓に運ぶ血管です。通常の静脈が心臓に戻るのに対し、門脈は毛細血管網と毛細血管網の間に位置する特殊な血管で、機能血管と呼ばれます。栄養に富む血液を肝臓に届け、そこで代謝と解毒を受けさせる役割を担います。
門脈に注ぐ主な静脈は、上腸間膜静脈(小腸と右側結腸)、脾静脈(脾臓、膵臓、胃の一部)、下腸間膜静脈(左側結腸と直腸上部、脾静脈に合流)、左胃静脈と右胃静脈、胆嚢静脈です。
したがって、門脈に血液を送るのは、食道下部から直腸上部までの消化管、脾臓、膵臓、胆嚢です。
腎臓は、これらとは異なり、腎静脈を経て直接下大静脈に注ぎます。したがって静脈血が門脈に流入しないのは腎臓であり、正答は4です。同様に、**副腎(右は下大静脈、左は左腎静脈へ)、性腺(右は下大静脈、左は左腎静脈へ)も門脈系には入りません。また、直腸下部の静脈血は内腸骨静脈を経て下大静脈へ流れるため、この部位が門脈と大静脈の吻合部(側副血行路)**となります。
門脈圧亢進が生じると、行き場を失った血液が側副血行路に流れ込みます。代表的なのが、食道下部の静脈瘤(食道静脈瘤)、臍周囲の腹壁皮下静脈の怒張(メデューサの頭)、直腸下部の静脈の拡張(痔核)です。最も多い原因は肝硬変であり、あわせて脾腫と脾機能亢進による血小板減少、腹水がみられます。
なお、薬物を経口投与した場合、消化管から吸収された薬物は門脈を経て肝臓に入り、そこで代謝を受けてから全身循環に至ります。これを初回通過効果といい、薬の効き方を左右する重要な現象です。
選択肢の確認
1.小腸
誤り。上腸間膜静脈を経て門脈に注ぎます。
2.脾臓
誤り。脾静脈を経て門脈に注ぎます。
3.膵臓
誤り。脾静脈などを経て門脈に注ぎます。
4.腎臓
正しい。腎静脈を経て直接下大静脈に注ぎます。
覚えるポイント
- 門脈に注ぐ=消化管(食道下部から直腸上部)、脾臓、膵臓、胆嚢。
- 門脈に注がない=腎臓、副腎、性腺、直腸下部。
- 門脈圧亢進=食道静脈瘤、メデューサの頭、痔核。最多の原因は肝硬変。経口薬は初回通過効果を受ける。