17AM51|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
男性よりも女性に多い癌はどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
がんの性差を問う問題です。男性に多いがんが大半である中で、女性に多いものを選びます。
解説
多くのがんは、喫煙と飲酒の習慣が男性に多いことを主な理由として、男性に多い傾向があります。その中で、女性に多い代表的ながんを押さえておくことが本問の要点です。
胆嚢癌(胆道癌のうち胆嚢に生じるもの)は、女性に多いがんとして知られます。背景として、胆石症が女性に多いことが挙げられます。胆石の危険因子は、いわゆる5つのF、すなわち女性(Female)、40歳代(Forty)、肥満(Fatty)、多産(Fertile)、白人(Fair)とされ、女性ホルモンが胆汁中のコレステロール分泌を増やすことが関与します。胆嚢癌の多くに胆石が合併しており、慢性の刺激が発がんに関わると考えられています。したがって正答は2です。胆嚢癌は初期には無症状で、進行すると黄疸、右季肋部痛、体重減少をきたし、予後が不良ながんです。
他の選択肢を確認します。
膵臓癌は、男性にやや多いがんです。危険因子は喫煙、慢性膵炎、糖尿病、肥満、家族歴です。初期症状に乏しく、腹痛、背部痛、黄疸(膵頭部癌)、体重減少、糖尿病の悪化で発見されることが多く、予後が最も不良ながんの一つです。
肝臓癌は、男性に明らかに多いがんです。最大の原因はB型およびC型肝炎ウイルスの持続感染とそれに続く肝硬変であり、加えてアルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎が背景となります。飲酒習慣の差が性差につながっています。
食道癌も、男性に圧倒的に多いがんです。危険因子は飲酒と喫煙であり、この二つが重なると危険性は相乗的に高まります。とくに、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱く、少量の飲酒で顔が赤くなる体質の人では危険性がより高いことが知られています。
なお、女性に多いがんとしては、胆嚢癌のほかに、当然ながら乳癌、子宮癌、卵巣癌があり、また甲状腺癌も女性に多いがんとして知られます。
選択肢の確認
1.膵臓癌
誤り。男性にやや多く、喫煙と慢性膵炎が危険因子です。
2.胆嚢癌
正しい。胆石症が女性に多いことを背景に、女性に多いがんです。
3.肝臓癌
誤り。肝炎ウイルスとアルコールを背景に男性に多いがんです。
4.食道癌
誤り。飲酒と喫煙を危険因子とし、男性に圧倒的に多いがんです。
覚えるポイント
- 女性に多いがん=胆嚢癌、甲状腺癌(乳癌、子宮癌、卵巣癌は当然)。
- 胆石の危険因子=女性、40歳代、肥満、多産。胆嚢癌の多くに胆石が合併。
- 男性に多い=食道癌、肝癌、膵癌、胃癌、肺癌。飲酒と喫煙の差が背景。