17AM52|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
問診(医療面接)を行う際の注意として適切でない記述はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
医療面接の基本姿勢を問う問題です。先入観をもって聞くことの危うさが核心です。
解説
各選択肢を検討します。
温かみのある態度で接し、患者との信頼関係を築くことは適切です。医療面接の目的は、情報を集めることだけではありません。信頼関係(ラポール)の形成、そして患者への情報提供と教育という3つの目的があります。座る位置や視線の高さ、うなずきやあいづち、傾聴と共感といった態度が、話しやすい雰囲気をつくります。
ある症状がみられないといった陰性症状は重要であることも適切です。「ある」情報と同じくらい、「ない」情報が診断に役立ちます。たとえば、めまいを訴える患者で「難聴と耳鳴がない」ことは前庭神経炎や良性発作性頭位めまい症を示唆し、「神経症状がない」ことは中枢性めまいを否定する方向に働きます。こうした**陰性所見(ネガティブな情報)**を意識的に確認することが、鑑別の精度を高めます。
特定の疾患を推定し、それに沿って行うことは適切でなく、これが正答です。最初から特定の疾患を想定して面接を進めると、その疾患に合う情報ばかりを集め、合わない情報を軽視してしまうという偏り(確証バイアス)が生じます。その結果、本来疑うべき疾患を見落とす危険があります。医療面接では、まず開放的質問によって患者に自由に語ってもらい、幅広く情報を集めたうえで、閉鎖的質問で確認と絞り込みを行うという順序が基本です。とくに施術の場では、筋骨格系の問題という先入観をもって聞くことで、背後にある内臓疾患や重篤な病態を見逃す危険があるため、この姿勢は極めて重要です。
患者の個人情報が漏れないようにすることも適切です。守秘義務は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律にも定められており、違反すれば罰則の対象となります。面接の場所(他の患者に聞こえない環境)、記録の保管、電子データの管理にも配慮が必要です。
選択肢の確認
1.温かみのある態度で接し、患者との信頼関係を築く。
適切。信頼関係の形成は医療面接の重要な目的の一つです。
2.ある症状がみられないといった陰性症状は重要である。
適切。症状がないという情報も鑑別に大きく役立ちます。
3.特定の疾患を推定し、それに沿って行う。
適切でなく、これが正答。先入観により重要な情報を見落とす危険があります。
4.患者の個人情報が漏れないようにする。
適切。守秘義務は法律にも定められています。
覚えるポイント
- 医療面接の目的=情報収集、信頼関係(ラポール)の形成、情報提供と教育。
- 開放的質問から始め、閉鎖的質問で確認。特定の疾患を前提に進めない。
- 陰性所見も重要。守秘義務はあはき法にも定められ、違反は罰則の対象。