17AM53|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
閉脚起立時に閉眼すると著明に動揺する場合、病巣で適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
ロンベルグ徴候を問う問題です。閉眼で動揺が著明になるという条件が決め手です。
解説
ロンベルグ試験は、両足をそろえて立ち(閉脚起立)、開眼時と閉眼時のふらつきを比較する検査です。閉眼によって著明に動揺が増す場合をロンベルグ徴候陽性といいます。
立位のバランスは、視覚、前庭覚、深部感覚の3つの情報によって保たれています。閉眼すると視覚による補正が失われるため、深部感覚が障害されている場合には、残る前庭覚だけでは支えきれず、著明に動揺します。
脊髄後索は、**識別性触圧覚と深部感覚(位置覚、振動覚)**を伝える経路です。ここが障害されると、自分の関節や足がどこにあるのかが分からなくなり、感覚性運動失調を生じます。視覚で補っている間は何とか立てますが、閉眼すると一気に崩れるため、ロンベルグ徴候が陽性となります。したがって正答は4です。後索が障害される代表的な疾患は、脊髄癆(神経梅毒)、亜急性連合性脊髄変性症(ビタミンB12欠乏、悪性貧血に伴う)、脊髄腫瘍、多発神経炎です。
他の選択肢を確認します。
小脳の障害では、小脳性運動失調を生じます。この場合、開眼していても動揺があり、閉眼によって著明に悪化するわけではないため、ロンベルグ徴候は陰性とされます。小脳性失調では、測定障害、企図振戦、変換運動障害、断綴性言語、眼振、酩酊様歩行がみられます。
大脳皮質の障害では、麻痺や感覚障害、高次脳機能障害が生じますが、閉眼で著明に動揺するという特徴的な所見をとるものではありません。
大脳基底核の障害では、パーキンソン病のように、姿勢反射障害による前後方向の不安定さや小刻み歩行が生じますが、これも閉眼による著明な悪化を特徴とするものではありません。
なお、前庭障害でもロンベルグ徴候が陽性となることがあり、その場合は一定方向へ倒れる傾向を示すという違いがあります。
選択肢の確認
1.大脳皮質
誤り。麻痺や高次脳機能障害を生じますが、この所見の典型ではありません。
2.大脳基底核
誤り。パーキンソン病などで姿勢反射障害を生じますが、閉眼で著明に悪化する所見ではありません。
3.小脳
誤り。開眼時から動揺があり、ロンベルグ徴候は陰性とされます。
4.脊髄後索
正しい。深部感覚の障害により、閉眼で著明に動揺します。
覚えるポイント
- ロンベルグ徴候陽性=閉眼で著明に動揺。深部感覚(後索)の障害を示す。
- 小脳性失調は開眼でも動揺し、ロンベルグ徴候は陰性。企図振戦や断綴性言語を伴う。
- 後索障害の原因=脊髄癆、亜急性連合性脊髄変性症(ビタミンB12欠乏)。