17AM55|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
失神性めまいについて誤っている記述はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
めまいの分類を問う問題です。失神性めまいの性質を、回転性めまいと対比して考えます。
解説
めまいは、大きく次の3つに分けられます。
**回転性めまい(真性めまい)**は、自分または周囲がぐるぐる回ると感じるもので、前庭系(内耳または前庭神経、脳幹の前庭核)の障害によります。眼振を伴うことが特徴で、悪心と嘔吐を伴います。メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、脳幹や小脳の病変が原因となります。
**浮動性めまい(動揺性めまい)**は、ふわふわする、身体が揺れると感じるもので、中枢性の病変、脳血管障害、貧血、自律神経の失調、心因性など、幅広い原因で生じます。
**失神性めまい(前失神)**は、目の前が暗くなる(眼前暗黒感)、気が遠くなる、立ちくらみとして自覚されるもので、**一過性の脳全体の血流低下(脳虚血)**によって生じます。したがって、これは前庭系の障害ではないため、眼振を伴いません。したがって「眼振を伴う」は誤りであり、正答は1です。
失神性めまいの他の記述を確認します。
眼前暗黒があることは正しい記述です。脳の血流が一時的に不足することで、視覚野や網膜への血流も減り、目の前が暗くなる感覚が生じます。
頸部の圧迫で起こることも正しい記述です。頸動脈洞を強く圧迫すると、圧受容器反射が働いて徐脈と血圧低下が起こり、脳血流が減って失神性めまいや失神を生じます(頸動脈洞症候群)。この点は、頸部への施術を行う施術者にとって重要な注意事項です。頸部の取穴や強い圧迫では、頸動脈の拍動部を避けることが必要です。
一過性の脳虚血状態であることも正しい記述です。原因としては、起立性低血圧、血管迷走神経反射、不整脈、大動脈弁狭窄症、脱水、出血、貧血などがあります。
なお、**鍼あたり(脳貧血様症状)**もこの機序によるもので、気分不良、冷汗、悪心、顔面蒼白がみられます。その際は直ちに抜鍼し、頭部を低くして下肢を挙上し、安静と保温を図ります。
選択肢の確認
1.眼振を伴う。
誤っている記述であり、これが正答。眼振を伴うのは前庭系の障害による回転性めまいです。
2.眼前暗黒がある。
正しい記述。脳血流の低下により眼前が暗くなります。
3.頸部の圧迫で起こる。
正しい記述。頸動脈洞の圧迫により徐脈と血圧低下が起こります。
4.一過性の脳虚血状態である。
正しい記述。一過性の脳全体の血流低下によります。
覚えるポイント
- 回転性めまい=前庭系の障害、眼振を伴う。失神性めまい=一過性の脳虚血、眼前暗黒、眼振なし。
- 頸動脈洞の圧迫は徐脈と血圧低下を招く。頸部の施術では拍動部を避ける。
- 鍼あたり(脳貧血様症状)では、抜鍼して頭部を低く、下肢を挙上、安静と保温。