17AM57|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
易感染性に留意すべき疾患はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
易感染性に注意すべき疾患を問う問題です。免疫を担う細胞が侵される疾患はどれかという視点で選びます。
解説
易感染性(感染しやすく重症化しやすい状態)は、次のような場合に生じます。好中球の減少や機能低下、リンパ球の減少や機能低下、免疫グロブリンの減少、皮膚と粘膜のバリアの破綻、脾臓の摘出、そして免疫抑制薬や抗癌薬、副腎皮質ステロイド薬の使用です。
悪性リンパ腫は、リンパ球が腫瘍化した疾患であり、免疫を担う細胞そのものが侵されます。加えて、治療として行われる化学療法と放射線療法により骨髄が抑制され、好中球が著しく減少します。したがって、易感染性に留意すべき疾患として最も適切であり、正答は3です。悪性リンパ腫では、無痛性で弾性硬のリンパ節腫脹が主症状であり、**B症状(38度を超える発熱、盗汗、6か月で10パーセントを超える体重減少)**を伴うことがあります。施術に際しては、清潔操作の徹底と、発熱時には施術を控えて医療機関への受診を勧める配慮が必要です。
他の選択肢を確認します。
高血圧症は、動脈硬化を進めて脳血管障害、心疾患、腎障害の危険を高めますが、それ自体が免疫機能を低下させるものではありません。
痛風は、高尿酸血症を背景に尿酸塩結晶が関節に沈着し、第1中足趾節関節などに突然の激しい関節炎を起こす疾患です。急性発作時の関節は発赤、腫脹、熱感を伴い、感染性関節炎との鑑別が必要になりますが、易感染性をきたす疾患ではありません。
**高脂血症(脂質異常症)**は、LDLコレステロールや中性脂肪の高値、HDLコレステロールの低値を指し、動脈硬化の危険因子ですが、免疫機能とは直接関係しません。
このほか、易感染性に注意すべき疾患として、白血病、再生不良性貧血、多発性骨髄腫、後天性免疫不全症候群(AIDS)、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全、そして副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬を使用中の膠原病があります。これらの患者への施術では、手指衛生と単回使用鍼の徹底、施術部の皮膚の観察、有痕灸を避けるといった配慮が求められます。
選択肢の確認
1.高血圧症
誤り。動脈硬化の危険因子ですが免疫機能は低下しません。
2.痛風
誤り。関節炎を起こしますが易感染性はきたしません。
3.悪性リンパ腫
正しい。リンパ球の腫瘍化と治療に伴う骨髄抑制により易感染性となります。
4.高脂血症
誤り。動脈硬化の危険因子であり免疫とは直接関係しません。
覚えるポイント
- 易感染性=好中球やリンパ球の減少、免疫グロブリンの低下、バリアの破綻、免疫抑制薬の使用。
- 該当疾患=悪性リンパ腫、白血病、再生不良性貧血、多発性骨髄腫、AIDS、糖尿病、肝硬変。
- 施術では清潔操作の徹底、発熱時は施術を控えて受診を勧める。