17AM58|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
肥満をきたす疾患はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
内分泌疾患と体重の変化を問う問題です。どのホルモンが過剰または不足すると太るかを整理します。
解説
各選択肢を検討します。
下垂体機能低下症は、下垂体前葉のホルモンが不足する疾患で、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなどが低下します。その結果、易疲労感、低血圧、低血糖、体重減少、性機能低下、無月経、皮膚の乾燥と蒼白をきたします。肥満ではなくやせの方向に向かいます。産後の大量出血による下垂体壊死で起こるものをシーハン症候群といいます。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、甲状腺ホルモンの過剰により基礎代謝が亢進するため、食欲があるのに体重が減少します。あわせて、頻脈、動悸、発汗過多、手指振戦、暑がり、下痢、いらいらがみられ、バセドウ病ではメルゼブルグの三徴(甲状腺腫、頻脈、眼球突出)が特徴です。したがって肥満はきたしません。逆に甲状腺機能低下症では、代謝が低下して体重が増加し、寒がり、便秘、徐脈、皮膚乾燥、無気力、粘液水腫がみられます。
クッシング症候群は、糖質コルチコイド(コルチゾール)の過剰により生じ、肥満をきたす代表的な内分泌疾患です。正答は3です。ただしその肥満は特徴的で、四肢は細いのに体幹に脂肪がつく中心性肥満、満月様顔貌(ムーンフェイス)、水牛様肩(バッファローハンプ)という形をとります。これは、糖質コルチコイドが四肢では蛋白の異化を進めて筋を萎縮させる一方、体幹では脂肪の沈着を促すためです。あわせて、赤紫色の皮膚線条、皮膚の菲薄化と易出血性、高血圧、耐糖能異常と高血糖、骨粗鬆症、易感染性、多毛、月経異常、近位筋の筋力低下、精神症状がみられます。原因は、下垂体のACTH産生腫瘍(クッシング病)、副腎腫瘍、異所性ACTH産生腫瘍、そして**ステロイド薬の長期投与(医原性)**です。
アジソン病は、副腎皮質の機能低下により、色素沈着、低血圧、低血糖、易疲労、食欲不振、体重減少をきたします。肥満ではなくやせの方向です。
選択肢の確認
1.下垂体機能低下症
誤り。体重減少、低血圧、低血糖をきたします。
2.甲状腺機能亢進症
誤り。基礎代謝の亢進により体重が減少します。
3.クッシング症候群
正しい。中心性肥満、満月様顔貌、水牛様肩をきたします。
4.アジソン病
誤り。色素沈着、低血圧、体重減少が特徴です。
覚えるポイント
- クッシング症候群=中心性肥満、満月様顔貌、水牛様肩、赤紫色の皮膚線条、高血圧、高血糖、骨粗鬆症。
- 甲状腺機能亢進=体重減少、甲状腺機能低下=体重増加。
- 下垂体機能低下症とアジソン病はやせの方向。ステロイド薬の長期投与でも医原性クッシングとなる。