17AM60|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
食中毒の原因菌で激しい下痢を主症状としないのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
食中毒の症状の違いを問う問題です。下痢が主体でないものはどれかを選びます。
解説
食中毒は、**感染型(細菌が腸管で増殖して発症)と毒素型(食品中で産生された毒素による)**に分けられ、原因菌によって症状が異なります。
各選択肢を検討します。
腸炎ビブリオは、海産魚介類を原因とする感染型の食中毒です。好塩菌であり、夏季に多発します。潜伏期は10から20時間程度で、激しい腹痛と水様性下痢、発熱、嘔吐をきたします。真水と加熱に弱いため、魚介類をよく洗い、十分に加熱することが予防になります。
ボツリヌス菌は、神経麻痺症状を主症状とし、激しい下痢を主症状としません。したがって正答は2です。土壌や海水中に存在する偏性嫌気性の芽胞形成菌で、自家製の飯ずし、真空パック食品、缶詰、瓶詰など、酸素を遮断して保存された食品が原因となります。産生されるボツリヌス毒素は神経筋接合部でアセチルコリンの放出を阻害するため、眼症状(複視、眼瞼下垂)から始まり、構音障害、嚥下障害、口渇、そして四肢の弛緩性麻痺と呼吸筋麻痺による呼吸困難へと進みます。むしろ便秘を伴うことが多く、致死率の高い食中毒です。毒素は加熱で失活しますが芽胞は耐熱性であり、1歳未満の乳児にはちみつを与えないという注意も重要です。
サルモネラ属は、鶏卵、食肉を原因とする感染型の食中毒です。潜伏期は8から48時間程度で、発熱、腹痛、水様性下痢をきたし、乳幼児や高齢者では重症化します。
ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌)は、毒素型の食中毒です。手指の化膿巣から食品が汚染され、食品中でエンテロトキシンが産生されます。おにぎりや弁当、調理パンが原因となり、潜伏期が1から6時間と短く、激しい嘔吐と腹痛、下痢をきたします。毒素は耐熱性のため、加熱しても防げず、手指に傷や化膿巣のある人が調理に関わらないことが予防の要です。
選択肢の確認
1.腸炎ビブリオ
誤り。激しい腹痛と水様性下痢をきたす感染型です。
2.ボツリヌス菌
正しい。神経麻痺症状が主体で、むしろ便秘を伴います。
3.サルモネラ菌
誤り。発熱と腹痛、水様性下痢をきたす感染型です。
4.ブドウ球菌
誤り。短い潜伏期で激しい嘔吐と下痢をきたす毒素型です。
覚えるポイント
- ボツリヌス菌=神経麻痺(眼症状から呼吸筋麻痺へ)。下痢ではなく便秘を伴う。
- 感染型=腸炎ビブリオ(魚介類)、サルモネラ(鶏卵と食肉)、カンピロバクター(鶏肉)。
- 毒素型=ブドウ球菌(耐熱性毒素、短い潜伏期の嘔吐)、ボツリヌス菌。