17AM64|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
アルコール依存症の離脱症状として適切でないのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
アルコール依存症の離脱症状を問う問題です。飲酒をやめた直後に起こる症状か、長期の飲酒による慢性の障害かを区別します。
解説
アルコール離脱症状は、慢性的な大量飲酒者が飲酒を中断または減量した後、数時間から数日以内に生じる症状です。中枢神経がアルコールによる抑制に適応していたところ、それが急に取り除かれることで中枢神経が過剰に興奮するために起こります。
**早期離脱症状(小離脱)**は、飲酒の中断後6から24時間程度で現れます。手指振戦、発汗、頻脈、血圧上昇、不眠、不安、いらいら、悪心と嘔吐、頭痛がみられます。けいれん発作が起こることもあります。
後期離脱症状(大離脱)は、中断後48から72時間程度でピークを迎える振戦せん妄です。意識混濁、著明な振戦、興奮、見当識障害とともに、幻視が特徴的に現れます。とくに**小動物幻視(虫や小さな動物が見える)**が典型とされます。生命に関わることがあり、入院管理が必要です。
したがって、手指振戦、幻視、発汗は、いずれも離脱症状として適切です。
四肢のしびれは、離脱症状として適切ではなく、これが正答で4です。これは、長期の大量飲酒による慢性の合併症、すなわちアルコール性末梢神経障害によるものです。背景には、ビタミンB1(チアミン)をはじめとするビタミンB群の欠乏があり、偏った食生活と吸収障害が関与します。両側性・対称性に、下肢の遠位から始まるしびれ、感覚鈍麻、灼熱感、腱反射の減弱がみられます。飲酒をやめた直後に急に現れるものではなく、慢性に経過する点が離脱症状との違いです。
同じくビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症も重要で、眼球運動障害(眼振、外眼筋麻痺)、運動失調、意識障害を三徴とし、放置すると記銘力障害と作話を特徴とするコルサコフ症候群に移行します。
選択肢の確認
1.手指振戦
適切。早期離脱症状の代表です。
2.幻視
適切。振戦せん妄でみられ、小動物幻視が典型です。
3.発汗
適切。自律神経の過剰興奮による早期離脱症状です。
4.四肢のしびれ
適切でなく、これが正答。長期飲酒によるアルコール性末梢神経障害です。
覚えるポイント
- 離脱症状=早期(6から24時間)は手指振戦、発汗、頻脈、不眠、けいれん、後期(48から72時間)は振戦せん妄と小動物幻視。
- 四肢のしびれ=アルコール性末梢神経障害(ビタミンB1欠乏)。慢性の合併症。
- ウェルニッケ脳症=眼球運動障害、運動失調、意識障害。進行してコルサコフ症候群へ。