17AM65|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
高齢者が起こしやすい骨折はどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
年齢によって起こりやすい骨折が異なることを問う問題です。高齢者か小児かで振り分けます。
解説
骨折は、年齢によって好発部位が異なるという特徴があります。
高齢者に多い骨折は、骨粗鬆症を背景に、軽微な外力で生じるのが特徴です。代表的な4つは、脊椎椎体圧迫骨折、大腿骨近位部骨折(頸部骨折と転子部骨折)、橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)、そして上腕骨近位部骨折です。したがって正答は2です。上腕骨近位部骨折は、転倒して肩や肘をついた際に生じ、高齢の女性に多くみられます。保存療法が選ばれることも多い一方、転位が大きければ手術が行われます。
とくに大腿骨近位部骨折は、そのまま寝たきりにつながる危険が高く、早期手術と早期離床が原則とされます。放置すれば、廃用症候群、褥瘡、肺炎、認知機能の低下を招きます。
小児に多い骨折は、骨が柔らかく骨膜が厚いという特徴を反映します。代表が上腕骨顆上骨折と上腕骨外顆骨折であり、いずれも肘関節周囲の骨折です。上腕骨顆上骨折は、転倒して手をついた際に肘が過伸展されて生じ、フォルクマン拘縮(阻血性拘縮)、神経損傷、内反肘という重要な合併症があります。上腕骨外顆骨折は、**偽関節や遅発性尺骨神経麻痺(外反肘によるもの)**を合併することがあります。また小児では、若木骨折(骨が完全に折れず曲がる)や骨端線損傷も特徴的です。
鎖骨骨折は、転倒して肩をついたり手をついたりして生じる骨折で、あらゆる年齢層でみられますが、とくに小児から若年者に多く、高齢者に特徴的な骨折としては挙げられません。中央から外側3分の1の部位に好発します。
なお、骨粗鬆症の予防と対策は、高齢者の骨折を防ぐうえで重要です。適度な運動、カルシウムとビタミンDの摂取、禁煙、転倒予防の環境整備が基本となります。
選択肢の確認
1.鎖骨骨折
誤り。あらゆる年齢でみられ、高齢者に特徴的とはいえません。
2.上腕骨近位部骨折
正しい。骨粗鬆症を背景に高齢者の転倒で生じやすい骨折です。
3.上腕骨顆上骨折
誤り。小児の肘周辺で最も頻度の高い骨折です。
4.上腕骨外顆骨折
誤り。小児にみられ、偽関節や遅発性尺骨神経麻痺を合併します。
覚えるポイント
- 高齢者の四大骨折=脊椎椎体圧迫骨折、大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折。
- 大腿骨近位部骨折は寝たきりの契機。早期手術と早期離床が原則。
- 小児=上腕骨顆上骨折(フォルクマン拘縮、内反肘)、上腕骨外顆骨折(偽関節、遅発性尺骨神経麻痺)、若木骨折。