17AM67|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
食習慣と起こりやすい疾病との組合せで正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
食習慣と疾患の対応を問う問題です。過剰なエネルギー摂取が肝臓に何をもたらすかを考えます。
解説
各選択肢を検討します。
脂質が多いことと痛風の組合せは誤りです。痛風は、高尿酸血症を背景に、尿酸塩結晶が関節に沈着して急性関節炎を起こす疾患です。食習慣としては、**プリン体を多く含む食品(レバー、白子、魚卵、干物、肉類の内臓)**の過剰摂取と、アルコール、とくにビールの多飲が問題になります。アルコールは、それ自体が尿酸の産生を増やし、また尿酸の排泄を妨げます。脂質そのものが直接の原因とはされません。
糖質が多いことと胆石症の組合せも誤りです。胆石症、とくにコレステロール系結石の危険因子は、脂質の多い食事、肥満、急激な減量、女性、40歳代、多産です。糖質ではありません。
蛋白質が多いことと肝硬変の組合せも誤りです。肝硬変の主な原因は、C型およびB型肝炎ウイルスの持続感染、アルコール性肝障害、そして近年増加している**非アルコール性脂肪肝炎(NASH)**です。蛋白質の過剰摂取が原因となるわけではありません。むしろ、肝硬変が進行して肝性脳症を伴う場合には、アンモニアの産生を抑えるため蛋白質の摂取を制限することがあり、方向が逆です。
摂取エネルギー量が多いことと脂肪肝の組合せは正しく、正答は4です。脂肪肝は、肝細胞に中性脂肪が過剰に蓄積した状態です。摂取エネルギーが消費を上回ると、余剰分が中性脂肪として肝臓に蓄えられます。原因は、過食と肥満、糖尿病、脂質異常症、アルコールの多飲、運動不足です。
脂肪肝のうち、アルコールによらないものを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)といい、その中で炎症と線維化を伴い進行するものが非アルコール性脂肪肝炎(NASH)です。NASHは、肝硬変や肝細胞癌へ進行することがあり、近年重要性が増しています。メタボリックシンドロームの肝臓における現れとも位置づけられ、治療の基本は食事療法と運動療法による減量です。
選択肢の確認
1.脂質が多い ─── 痛 風
誤り。痛風はプリン体とアルコールの過剰摂取が関与します。
2.糖質が多い ─── 胆石症
誤り。胆石症は脂質の多い食事と肥満が危険因子です。
3.蛋白質が多い ─── 肝硬変
誤り。肝硬変は肝炎ウイルスとアルコール、NASHが主な原因です。
4.摂取エネルギ量が多い ─── 脂肪肝
正しい。余剰のエネルギーが中性脂肪として肝臓に蓄積します。
覚えるポイント
- 脂肪肝=過食と肥満、糖尿病、脂質異常症、アルコール、運動不足。治療は減量。
- NAFLDのうち炎症と線維化を伴うのがNASH。肝硬変や肝細胞癌へ進行しうる。
- 痛風=プリン体とアルコール、胆石=脂質と肥満、肝硬変=肝炎ウイルスとアルコール。