17AM68|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
糖尿病患者に合併しやすいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
糖尿病の合併症を問う問題です。神経障害がどのような形で現れるかを確認します。
解説
糖尿病の合併症は、急性合併症と慢性合併症に分けられます。
急性合併症は、糖尿病性ケトアシドーシスと高浸透圧高血糖状態であり、いずれも意識障害から昏睡に至る緊急事態です。低血糖による昏睡も含まれます。
慢性合併症は、細小血管障害と大血管障害に分けられます。細小血管障害は糖尿病に特有で、網膜症、腎症、神経障害の三大合併症を指します。大血管障害は動脈硬化によるもので、心筋梗塞と狭心症、脳梗塞、末梢動脈疾患が該当します。
糖尿病性神経障害は、三大合併症の中で最も早期から現れるとされます。中心となるのが多発神経障害で、両側性・対称性に、下肢の遠位(足先)から始まり靴下型に上行するのが特徴です。症状は、しびれ、ピリピリする痛み、灼熱感から始まり、進行すると知覚鈍麻となります。したがって「下肢の知覚鈍麻」は糖尿病に合併しやすく、正答は3です。早期の他覚所見として、振動覚の低下とアキレス腱反射の減弱または消失が重要です。
したがって「アキレス腱反射亢進」は誤りです。糖尿病性神経障害では減弱または消失します。腱反射が亢進するのは、錐体路(上位運動ニューロン)の障害であり、機序がまったく異なります。
そのほか、自律神経障害として、起立性低血圧、無自覚性低血糖、無痛性心筋梗塞、発汗異常、胃排出遅延、便秘と下痢の交代、勃起障害、膀胱機能障害がみられます。
結膜出血は、外傷、高血圧、いきみ、抗凝固薬の使用などで生じるもので、糖尿病に特徴的な合併症ではありません。糖尿病で問題となる眼の合併症は、糖尿病性網膜症であり、成人の失明原因の上位を占めます。単純網膜症、増殖前網膜症、増殖網膜症と進行し、定期的な眼底検査が不可欠です。
甲状腺腫大は、バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患でみられるもので、糖尿病の合併症ではありません。
臨床上、足の知覚が鈍っていると傷ややけどに気づかず、糖尿病性足病変から壊疽に至る危険があります。施術では、過度の温熱刺激を避け、施術前後に足の皮膚を必ず観察する配慮が求められます。
選択肢の確認
1.結膜出血
誤り。外傷や高血圧などで生じ、糖尿病に特徴的ではありません。
2.甲状腺腫大
誤り。甲状腺疾患でみられる所見です。
3.下肢の知覚鈍麻
正しい。糖尿病性多発神経障害により下肢遠位から知覚が鈍くなります。
4.アキレス腱反射亢進
誤り。アキレス腱反射は減弱または消失します。
覚えるポイント
- 三大合併症=網膜症、腎症、神経障害。神経障害が最も早期に現れる。
- 多発神経障害=両側対称性、下肢遠位から靴下型。振動覚低下とアキレス腱反射の減弱が早期所見。
- 足の観察と温熱刺激への配慮が必須。網膜症は成人の失明原因の上位。