17AM69|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
胃潰瘍について誤っている記述はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
胃潰瘍の好発部位を問う問題です。小弯側に多いという点が決め手になります。
解説
各選択肢を検討します。
女性より男性に多いという記述は正しいものです。消化性潰瘍(胃潰瘍と十二指腸潰瘍)は、いずれも男性にやや多くみられます。背景として、喫煙、飲酒、ストレス、非ステロイド性抗炎症薬の使用といった危険因子の分布が関与します。
好発部位は胃の大弯であるという記述は誤りであり、正答は2です。胃潰瘍は、胃角部から小弯側に好発します。これは、この部位が酸を分泌する胃底腺領域と、酸を分泌しない幽門腺領域の境界にあたり、粘膜の防御機能が相対的に弱いためと説明されます。また、食物や胃液が通過する際に機械的な負荷を受けやすい部位でもあります。大弯側にできる潰瘍性の病変では、むしろ**悪性(潰瘍を伴う胃癌)**を疑うことが多くなります。
エックス線像でニッシェがみられるという記述は正しいものです。ニッシェ(壁龕)は、造影剤を用いたエックス線検査で、潰瘍の陥凹部にバリウムがたまって突出した影として写る所見です。潰瘍を示す代表的な所見であり、あわせて潰瘍に向かって粘膜のひだが集まるひだ集中像もみられます。
ヘリコバクター・ピロリの感染と関係があるという記述も正しいものです。ピロリ菌は、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌、MALTリンパ腫の原因となり、除菌治療により潰瘍の再発が著しく減少します。消化性潰瘍のもう一つの主要な原因が**非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)**であり、プロスタグランジンの産生を抑えて胃粘膜の防御機能を低下させます。
消化性潰瘍は、攻撃因子(胃酸、ペプシン、ピロリ菌、NSAIDs)と防御因子(粘液、粘膜血流、プロスタグランジン)のバランスの破綻として理解されます。症状は心窩部痛で、胃潰瘍は食後に、十二指腸潰瘍は空腹時と夜間に痛みが強いという違いが知られています。合併症として、出血(コーヒー残渣様の吐血と黒色便)、穿孔、狭窄があり、いずれも緊急性の高い病態です。
選択肢の確認
1.女性より男性に多い。
正しい記述。消化性潰瘍は男性にやや多くみられます。
2.好発部位は胃の大弯である。
誤っている記述であり、これが正答。胃角部から小弯側に好発します。
3.エックス線像でニッシェがみられる。
正しい記述。潰瘍の陥凹に造影剤がたまった所見です。
4.ヘリコバクター・ピロリの感染と関係がある。
正しい記述。除菌により再発が著しく減少します。
覚えるポイント
- 胃潰瘍は胃角部から小弯側に好発。大弯側の潰瘍性病変は悪性を疑う。
- 原因=ピロリ菌とNSAIDs。攻撃因子と防御因子のバランスの破綻。
- 胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は空腹時と夜間に痛む。合併症は出血、穿孔、狭窄。