17AM76|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
心筋梗塞の心電図変化で誤っているのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
心筋梗塞の心電図変化を問う問題です。PQ時間の短縮が何を示すかが決め手になります。
解説
心筋梗塞は、冠状動脈の閉塞により心筋が壊死に陥る疾患です。心電図には、時間の経過とともに特徴的な変化が現れます。
超急性期では、T波の増高がみられます。
急性期では、ST上昇が現れます。これは心筋の傷害を反映する所見で、心筋梗塞を疑う最も重要な変化です。ST上昇を伴うものをST上昇型心筋梗塞といい、緊急の再灌流療法(カテーテル治療)の適応となります。したがって記述は正しいものです。
続いて、異常Q波が出現します。これは心筋の壊死を反映する所見で、電気的に活動しない部分ができたことを意味します。幅0.04秒以上、深さがR波の4分の1以上のQ波を異常Q波とし、いったん出現すると永久に残ることが多いため、陳旧性心筋梗塞の証拠となります。したがって記述は正しいものです。
その後、冠性T波(左右対称の陰性T波)がみられるようになります。これは心筋の虚血を反映する所見です。したがって記述は正しいものです。
これらの変化が現れる誘導から梗塞部位を推定できることも重要です。前壁中隔はV1からV4、側壁はⅠ、aVL、V5、V6、下壁はⅡ、Ⅲ、aVFに変化が現れます。
PQ時間短縮は、心筋梗塞の心電図変化として誤りであり、正答は4です。PQ時間(PR時間)は、心房の興奮開始から心室の興奮開始までの時間で、正常はおよそ0.12から0.20秒です。PQ時間の短縮がみられるのは、WPW症候群です。これは、心房と心室の間に副伝導路(ケント束)という余分な通り道があり、房室結節を経ずに心室が早く興奮するために生じます。心電図ではPQ時間短縮とデルタ波が特徴で、発作性上室性頻拍の原因となります。一方、PQ時間の延長はⅠ度房室ブロックを示します。
心筋梗塞では、心電図に加えて、心筋逸脱酵素(トロポニン、CK-MB、AST、LDH)の上昇が診断に用いられます。
選択肢の確認
1.ST上昇
正しい記述。急性期にみられ、心筋の傷害を反映します。
2.異常Q波
正しい記述。心筋の壊死を反映し、永久に残ることが多い所見です。
3.冠性T波
正しい記述。左右対称の陰性T波で、虚血を反映します。
4.PQ時間短縮
誤っている記述であり、これが正答。PQ時間の短縮はWPW症候群でみられます。
覚えるポイント
- 心筋梗塞=**ST上昇(傷害)→異常Q波(壊死)→冠性T波(虚血)**の順に変化。
- 梗塞部位=V1からV4は前壁中隔、Ⅱ・Ⅲ・aVFは下壁、Ⅰ・aVL・V5・V6は側壁。
- PQ短縮とデルタ波=WPW症候群。PQ延長=Ⅰ度房室ブロック。心筋逸脱酵素も診断に用いる。