17PM102|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
右肩関節痛に対して左肩に刺鍼する刺法はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
九刺のうち左右を交叉して用いる刺法を問う問題です。巨刺と繆刺の違いもあわせて押さえます。
解説
九刺は『霊枢』官鍼篇に記された9種類の刺法で、それぞれ適応が定められています。
巨刺は、身体の一側に病があるとき、反対側の経脈の経穴に刺鍼する方法です。「左に病あれば右を取り、右に病あれば左を取る」という原則に基づきます。設問の「右肩関節痛に対して左肩に刺鍼する」はこれに一致し、正答は4です。これは、十二経脈が身体の正中を越えて左右に交叉する部分をもつことに基づくとされ、経脈の左右の連絡を利用した治療法です。
これと似たものに繆刺があります。両者の違いは、巨刺が経脈(経穴)を対象とするのに対し、繆刺は絡脈(井穴や皮下の細絡)を対象とするという点です。この対比は繰り返し問われます。
他の選択肢を確認します。
遠道刺は、身体の上部の病に対して、下肢の経穴(とくに足の三陽経の兪穴や合穴)を用いる刺法です。「上病下取」の考え方に基づき、たとえば頭部や体幹の病に対して足の経穴を用います。左右の交叉ではありません。
絡刺は、皮下に浮き出た小静脈(血絡)を刺して出血させる刺法です。すなわち刺絡にあたり、瘀血の除去や熱の瀉出を目的とします。用いる鍼は**三稜鍼(古代九鍼の鋒鍼)**です。なお、刺絡は出血を伴うため、感染対策と止血の管理が特に重要であり、出血傾向のある患者や抗凝固薬を服用している患者では慎重な判断が求められます。
毛刺は、皮毛(皮膚の表層)にごく浅く刺す刺法で、皮膚の浅い部位にとどまる痺証に用います。小児鍼や接触鍼に通じる考え方です。
その他の九刺として、**輸刺(五兪穴や背部兪穴を用いる)、遠道刺、経刺(経脈の結滞を刺す)、絡刺、分刺(筋肉の間を刺す)、大瀉刺(鈹鍼で膿を出す)、毛刺、巨刺、焠刺(焼いた鍼で刺す、痺証に)**があります。
選択肢の確認
1.遠道刺
誤り。上部の病に対して下肢の経穴を用いる刺法です。
2.絡刺
誤り。血絡を刺して出血させる刺絡にあたります。
3.毛刺
誤り。皮毛にごく浅く刺す刺法です。
4.巨刺
正しい。左右を交叉して反対側の経穴に刺鍼する刺法です。
覚えるポイント
- 巨刺=左右交叉、経脈(経穴)を対象。繆刺=左右交叉、絡脈(井穴や細絡)を対象。
- 遠道刺=上病下取、絡刺=刺絡(三稜鍼)、毛刺=皮毛への浅刺。
- 刺絡は感染対策と止血に注意。出血傾向や抗凝固薬服用者では慎重に判断する。