17PM103|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
難経六十九難に基づく腎虚証の治療穴の部位はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
難経六十九難による腎虚の治療穴を問う問題です。部位の記述から経穴を特定する手順で解きます。
解説
難経六十九難の原則は、「虚するものはその母を補い、実するものはその子を瀉す」です。
腎は水に属します。水を生じる母は金、すなわち肺です。したがって腎虚証では、母経である肺経の本穴(金穴)、または**自経である腎経の母穴(金穴)**を補います。
肺経の本穴は、肺が金に属するため金穴であり、経金穴の経渠です。腎経の母穴は、母が金であるため金穴であり、経金穴の復溜です。
そこで、選択肢の部位が示す経穴を特定します。
太淵の上方1寸で橈骨動脈の拍動部は、経渠です。経渠は、前腕前外側、橈骨茎状突起と橈骨動脈の間、手関節掌側横紋の上方1寸にあり、手の太陰肺経の経金穴です。したがって腎虚証の治療穴として正しく、正答は4です。なお、橈骨動脈の拍動部にあたるため、刺鍼にあたっては拍動を確認して血管を避ける配慮が必要です。
他の選択肢が示す経穴を確認します。
太渓の上方3寸でアキレス腱の前は、腎経の走行上にありますが、復溜は太渓の上方2寸です。距離が異なるため、六十九難の選穴としては当てはまりません。
神門の上方1寸5分で尺側手根屈筋腱の橈側は、霊道です。霊道は手の少陰心経の経金穴です。心経の経穴は、手関節掌側横紋から**神門(0寸)、陰郄(0.5寸)、通里(1寸)、霊道(1.5寸)**と0.5寸刻みに並びます。心虚証であれば母である肝(木)の穴、すなわち少衝(井木穴)を補うことになり、霊道は該当しません。
膝窩横紋の内端で半腱様筋腱と半膜様筋腱の間は、陰谷です。陰谷は足の少陰腎経の合水穴です。腎経の経穴ではありますが、水穴であって金穴ではないため、六十九難の「母を補う」という原則には当てはまりません。腎虚に対して水穴を選ぶのは誤りであり、この点が引っかけになっています。
選択肢の確認
1.太谿の上方3寸でアキレス腱の前
誤り。復溜は太渓の上方2寸であり、距離が異なります。
2.神門の上方1寸5分で尺側手根屈筋腱の橈側
誤り。霊道であり、心経の経金穴です。
3.膝窩横紋の内端で半腱様筋腱と半膜様筋腱の間
誤り。陰谷であり、腎経の合水穴で母穴ではありません。
4.太淵の上方1寸で橈骨動脈の拍動部
正しい。経渠であり、肺経の経金穴(本穴)です。
覚えるポイント
- 難経六十九難=虚すれば母を補う。腎(水)の母は肺(金)。
- 腎虚の選穴=肺経の経渠(本穴)と腎経の復溜(母穴)。いずれも経金穴。
- 経渠は橈骨動脈拍動部。拍動を確認して刺鍼する。心経は神門、陰郄、通里、霊道が0.5寸刻み。