17PM107|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
胆経の流注上にない筋はどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
足の少陽胆経の走行上にある筋を問う問題です。胆経が身体のどの面を通るかが判断の軸になります。
解説
足の少陽胆経の走行を確認します。外眼角(瞳子髎)に始まり、側頭部を上下に大きく曲折しながらめぐり(頷厭、率谷、頭臨泣、目窓、正営、承霊、脳空など)、耳の周囲を経て後頸部(風池)に至ります。次いで肩上(肩井)から側胸部(淵腋、輒筋)、**側腹部(日月、京門、帯脈、五枢、維道)**を下り、股関節部(環跳)から大腿外側(風市、中瀆)、膝外側(膝陽関、陽陵泉)、**下腿外側(陽交、外丘、光明、陽輔、懸鐘)**を経て、**足背(丘墟、足臨泣)**を通り、**足の第4指外側端(足竅陰)**に終わります。
すなわち、胆経は**一貫して身体の側面(外側)**を走行するのが特徴です。
各選択肢を検討します。
頭板状筋は、頸部から後頭部にかけて走る筋で、風池などの取穴部位に関わります。風池は、後頭骨の下方、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間の陥凹部にあり、その深部には頭半棘筋、さらに深部に後頭下筋群があります。頭板状筋もこの領域に位置するため、胆経の走行上にあるといえます。
前鋸筋は、側胸部にあり、第1から第9肋骨から起こって肩甲骨の内側縁に停止します。胆経の淵腋(第4肋間、中腋窩線上)や輒筋はこの領域にあたるため、走行上にあります。なお、この部位は深刺により気胸を起こす危険があるため注意が必要です。
半腱様筋は、大腿後面の内側にあり、坐骨結節から起こって脛骨内側の鵞足に停止します。胆経は大腿の外側を走行するため、半腱様筋は走行上にありません。したがって正答は3です。大腿後面内側を通るのは足の太陽膀胱経であり、大腿二頭筋と半腱様筋の間には殷門があります。
長腓骨筋は、下腿の外側にあり、腓骨から起こって足底に至ります。胆経の陽陵泉、陽交、外丘、光明、陽輔、懸鐘はこの領域にあたるため、走行上にあります。なお、陽陵泉の付近では総腓骨神経が腓骨頸を回るため、この神経の絞扼や損傷に注意が必要です。
選択肢の確認
1.頭板状筋
誤り。風池などの取穴部位に関わり、胆経の走行上にあります。
2.前鋸筋
誤り。側胸部にあり、淵腋や輒筋の部位にあたります。
3.半腱様筋
正しい。大腿後面内側にあり、胆経の走行上にありません。
4.長腓骨筋
誤り。下腿外側にあり、陽陵泉から懸鐘の部位にあたります。
覚えるポイント
- 胆経は一貫して身体の側面=外眼角→側頭部→後頸部→肩上→側胸部→側腹部→大腿外側→下腿外側→足の第4指。
- 大腿後面は膀胱経(大腿二頭筋と半腱様筋の間に殷門)。
- 淵腋など側胸部は気胸、陽陵泉付近は総腓骨神経に注意。