17PM115|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
取穴の際、胸鎖乳突筋を指標としない経穴はどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
「天」のつく経穴の取穴指標を問う問題です。頸部の経穴か頭部の経穴かで振り分けます。
解説
「天」の字を含む経穴は多数ありますが、そのうち頸部にあるものは、胸鎖乳突筋を指標として取穴するものが多くあります。
各選択肢を検討します。
天容は、手の太陽小腸経の経穴で、前頸部、下顎角の後方、胸鎖乳突筋の前方の陥凹部にあります。したがって胸鎖乳突筋を指標とします。なお、この部位の深部には内頸静脈、総頸動脈、迷走神経が走行するため、深刺は避けます。
天衝は、足の少陽胆経の経穴で、頭部、耳介の付け根の後縁の直上、髪際の上方2寸にあります。すなわち耳の上方の頭部にあり、胸鎖乳突筋とは無関係です。したがって正答は2です。胆経の頭部の経穴として、率谷、天衝、浮白、頭竅陰、完骨といった一連の経穴が耳の周囲を巡ります。
天鼎は、手の陽明大腸経の経穴で、前頸部、輪状軟骨と同じ高さ、胸鎖乳突筋の後縁にあります。扶突の下方1寸にあたり、胸鎖乳突筋を指標とします。
天牖は、手の少陽三焦経の経穴で、前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋の後方の陥凹部にあります。したがって胸鎖乳突筋を指標とします。
頸部で胸鎖乳突筋を基準とする経穴を整理すると、胸鎖乳突筋の前縁または前方には天容(小腸経)、胸鎖乳突筋の前縁と後縁の間には扶突(大腸経、甲状軟骨上縁の高さ)、胸鎖乳突筋の後縁には天鼎(大腸経、輪状軟骨の高さ)、天窓(小腸経、甲状軟骨上縁の高さ)、胸鎖乳突筋の後方には**天牖(三焦経、下顎角の高さ)**があります。また、人迎(胃経)は甲状軟骨上縁の高さで総頸動脈の拍動部にあります。
頸部の取穴では、総頸動脈と内頸静脈、迷走神経、腕神経叢、そして肺尖といった重要な構造が近接するため、深刺を避け、動脈の拍動を確認することが安全管理の基本です。
選択肢の確認
1.天容
誤り。胸鎖乳突筋の前方の陥凹部に取ります。
2.天衝
正しい。耳介付け根の後縁の直上にあり、胸鎖乳突筋とは無関係です。
3.天鼎
誤り。胸鎖乳突筋の後縁、輪状軟骨の高さに取ります。
4.天牖
誤り。胸鎖乳突筋の後方、下顎角の高さに取ります。
覚えるポイント
- 胸鎖乳突筋を指標=天容(前方)、扶突(前縁と後縁の間)、天鼎と天窓(後縁)、天牖(後方)。
- **天衝は頭部(耳介付け根の後縁の直上、髪際の上方2寸)**の胆経の経穴。
- 頸部は総頸動脈、内頸静脈、迷走神経、腕神経叢、肺尖が近接。深刺を避ける。