17PM116|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
膈兪について誤っているのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
膈兪の性格を問う問題です。八会穴のうち何の会かが決め手になります。
解説
各選択肢を検討します。
膀胱経に所属するという記述は正しいものです。膈兪は、上背部、第7胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分にある足の太陽膀胱経の経穴です。背部兪穴の一つに数えられ、膀胱経第1行線上に位置します。
左右の肩甲骨下角を結ぶ線を基準に取るという記述も正しいものです。左右の肩甲骨下角を結んだ線は、第7胸椎棘突起の高さを通ります。これは背部の取穴における重要な体表指標であり、この高さから上下に棘突起を数えることで、他の背部兪穴の位置を正確に定めることができます。あわせて、第3胸椎棘突起は肩甲棘内端の高さ、第12肋骨端は腎兪の高さ(第2腰椎)、ヤコビー線(左右の腸骨稜最高点を結ぶ線)は第4腰椎棘突起の高さという指標も押さえておきます。
胃の六つ灸で用いるという記述も正しいものです。胃の六つ灸は、膈兪、肝兪、脾兪の左右計6穴に施灸するもので、胃腸の不調、消化不良、食欲不振などに古くから用いられてきた配穴です。
脈会であるという記述は誤りであり、正答は4です。膈兪は八会穴の血会です。脈会は太淵であり、手の太陰肺経の原穴かつ兪土穴にあたります。八会穴を整理すると、腑会は中脘、臓会は章門、気会は膻中、血会は膈兪、筋会は陽陵泉、脈会は太淵、骨会は大杼、髄会は懸鐘となります。
膈兪が血会であることから、貧血、出血、瘀血といった血の病に広く用いられます。とくに瘀血による月経痛、刺すような痛み、血塊を伴う月経などに対する代表的な治療穴です。
なお、膈兪をはじめとする背部兪穴への刺鍼では、深刺による気胸に十分な注意が必要です。とくに肩甲間部は、椎骨と肩甲骨の間で肋骨に守られる部分が少なく、皮膚から胸膜までの距離が短いため、直刺で深く刺入すれば容易に胸腔に達します。斜刺や横刺とし、深度を浅くとどめることが安全管理の原則です。
選択肢の確認
1.膀胱経に所属する。
正しい記述。膀胱経第1行線上の背部兪穴の一つです。
2.左右の肩甲骨下角を結ぶ線を基準に取る。
正しい記述。肩甲骨下角を結ぶ線は第7胸椎棘突起の高さです。
3.胃の六つ灸で用いる。
正しい記述。膈兪、肝兪、脾兪の左右6穴を用います。
4.脈会である。
誤っている記述であり、これが正答。膈兪は血会で、脈会は太淵です。
覚えるポイント
- 膈兪=八会穴の血会、第7胸椎の高さ、外方1寸5分。脈会は太淵。
- 背部の指標=肩甲骨下角は第7胸椎、肩甲棘内端は第3胸椎、ヤコビー線は第4腰椎。
- 胃の六つ灸=膈兪、肝兪、脾兪の左右6穴。肩甲間部は深刺による気胸に注意。