17PM118|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
任脈の絡穴の部位はどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
十五絡穴のうち任脈の絡穴を問う問題です。鳩尾の部位を答えます。
解説
絡脈は経脈から分かれて表裏の経をつなぐ枝であり、その分岐点を絡穴といいます。十二経脈にそれぞれ1つずつ絡穴があり、これに任脈の絡穴、督脈の絡穴、脾の大絡の絡穴を加えて十五絡穴とします。
任脈の絡穴は鳩尾です。部位は、上腹部、前正中線上、胸骨体下端の下方1寸(臍中央の上方7寸)にあります。したがって正答は3です。鳩尾は、その形が鳩の尾に似ることから名づけられたとされ、剣状突起の直下にあたります。この部位は皮下組織が薄く、深部には肝臓と胃、そして心臓に近い部分があるため、深刺は避ける必要があります。
他の選択肢が示す経穴を確認します。
オトガイ唇溝の正中は、承漿です。承漿は任脈の経穴で、下唇の下方のくぼみにあたります。任脈の終点にあたる経穴です。
神闕の下1寸は、陰交です。陰交は任脈の経穴で、臍中央の下方1寸にあります。なお、神闕は臍の中央にある任脈の経穴で、禁鍼穴であり、施灸は塩を用いた隔塩灸で行うのが原則です。
会陰部の中央は、会陰です。会陰は任脈の起始部にあたる経穴で、男性では陰嚢根部と肛門を結ぶ線の中点、女性では後陰唇交連と肛門を結ぶ線の中点にあります。
十五絡穴をまとめて整理します。肺経は列欠、大腸経は偏歴、胃経は豊隆、脾経は公孫、心経は通里、小腸経は支正、膀胱経は飛揚、腎経は大鐘、心包経は内関、三焦経は外関、胆経は光明、肝経は蠡溝、そして任脈は鳩尾、督脈は長強、脾の大絡は大包です。
このうち、列欠、公孫、内関、外関は、八脈交会穴を兼ねるという点でも重要です。また、**大包(脾の大絡)**は、「実すればすなわち身尽く痛み、虚すればすなわち百節皆縦む」とされ、全身の絡脈を統べる特別な位置づけをもちます。
選択肢の確認
1.オトガイ唇溝の正中
誤り。承漿であり、任脈の終点にあたる経穴です。
2.神闕の下1寸
誤り。陰交であり、臍中央の下方1寸にあります。
3.胸骨体下端の下1寸
正しい。鳩尾であり、任脈の絡穴です。
4.会陰部の中央
誤り。会陰であり、任脈の起始部にあたります。
覚えるポイント
- 任脈の絡穴=鳩尾(胸骨体下端の下方1寸、臍上7寸)。深刺は避ける。
- 十五絡穴=十二経の絡穴+鳩尾(任脈)、長強(督脈)、大包(脾の大絡)。
- 絡穴のうち列欠、公孫、内関、外関は八脈交会穴を兼ねる。神闕は禁鍼穴。