17PM124第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第17回午後(科目未分類)

次の文で示す患者の病証に対し、難経六十九難に基づく治療を行う場合、適切な経穴はどれか。「32歳の男性。数年前から鈍い腹痛があり腹をさすると楽になる。倦怠感があり、泥状便がみられる。」

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

脾気虚と判断し、難経六十九難による2穴の配穴を答える問題です。脾の母は何かが決め手です。

解説

32歳の男性で、次の所見があります。

数年前から鈍い腹痛があるという点は、虚証の痛みを示します。「不栄則痛」といわれるように、気血が不足して経脈を養えないために生じる痛みは、鈍く、持続的で、慢性に経過します。実証の痛みが刺すように激しく急性であるのと対照的です。

腹をさすると楽になるという点が決定的です。これは喜按であり、虚証を示す典型的な所見です。逆に、押されるのを嫌う拒按であれば実証です。

倦怠感があるという点は、気虚を示します。

泥状便がみられるという点は、脾の運化失調を端的に示します。

以上から病証は脾気虚と判断できます。

次に難経六十九難を適用します。原則は「虚するものはその母を補い、実するものはその子を瀉す」です。脾は土に属し、土を生じる母は火、すなわち心です。

配穴は通常、自経の母穴母経の本穴を組み合わせます。

自経(脾経)の母穴は、母が火であるため火穴であり、陰経の五兪穴が井木、滎火、兪土、経金、合水の順であることから、滎火穴の大都です。

母経(心経)の本穴は、心が火に属するため火穴であり、滎火穴の少府です。

したがって配穴は大都と少府となり、正答は3です。

他の選択肢を確認します。

侠渓と足通谷は、侠渓が足の少陽胆経の滎水穴足通谷が足の太陽膀胱経の滎水穴です。いずれも水穴であり、膀胱虚に対して母である金…ではなく、水穴を選ぶ形になっているため、六十九難の原則には当てはまりません。

少衝と大敦は、少衝が手の少陰心経の井木穴大敦が足の厥陰肝経の井木穴です。いずれも木穴であり、これは心虚(火)に対して母である木を補うという配穴にあたります。

太淵と太白は、太淵が手の太陰肺経の兪土穴かつ原穴(本穴)太白が足の太陰脾経の兪土穴かつ原穴です。いずれも土穴であり、これは肺虚(金)に対して母である土を補うという配穴にあたります。

選択肢の確認

1.侠谿・足通谷
誤り。いずれも滎水穴であり、脾虚の選穴になりません。

2.少衝・大敦
誤り。いずれも井木穴で、心虚に対する配穴です。

3.大都・少府
正しい。脾経の滎火穴と心経の滎火穴で、脾虚に対して母である火を補います。

4.太淵・太白
誤り。いずれも兪土穴で、肺虚に対する配穴です。

覚えるポイント

  • 鈍痛+喜按=虚証刺痛+拒按=実証。倦怠感と泥状便は脾気虚
  • 脾(土)の母は心(火)。配穴は大都(脾経の滎火穴)と少府(心経の滎火穴)
  • 肺虚は太淵と太白心虚は少衝と大敦腎虚は経渠と復溜肝虚は陰谷と曲泉
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