17PM125|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
下垂足を呈する不全麻痺に対して上巨虚穴と条口穴に鍼通電療法を行った場合、目的とする筋に鍼が刺入されていることを確認する足関節の動きはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
上巨虚と条口の深部にある筋を特定し、その筋の作用を答える問題です。
解説
下垂足は、足関節の背屈ができなくなる状態です。原因は、総腓骨神経麻痺や深腓骨神経麻痺であり、麻痺するのは前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第三腓骨筋という背屈筋群です。歩行時につま先が地面に引っかかるため、膝を高く上げて歩く鶏歩を呈します。
治療として鍼通電療法を行う場合、麻痺した筋そのものに刺鍼して通電し、筋の収縮を促して萎縮を防ぎ、血流を改善します。したがって、目的とする筋に鍼が届いているかどうかを確認することが重要になります。
上巨虚は、下腿前外側、犢鼻の下方6寸、犢鼻と解渓を結ぶ線上にあります。条口は、同じ線上で犢鼻の下方8寸にあります。いずれも足の陽明胃経の経穴であり、その深部にあるのは前脛骨筋です。
前脛骨筋の作用は、足関節の背屈(伸展)と足の内反です。脛骨の外側面から起こり、足の内側楔状骨と第1中足骨底に停止するため、足を上に持ち上げると同時に内側へ向ける働きをします。支配神経は深腓骨神経です。
したがって、鍼が前脛骨筋に正しく刺入されて通電されれば、**足関節の内反と伸展(背屈)**という動きが観察されます。正答は4です。
他の選択肢が示す動きと、それを行う筋を確認します。
外反と屈曲(底屈)は、長腓骨筋と短腓骨筋の作用です。下腿外側にあり、浅腓骨神経の支配を受けます。経穴では陽陵泉、陽交、外丘、光明、陽輔、懸鐘といった胆経の経穴の部にあたります。
**外反と伸展(背屈)**は、長趾伸筋と第三腓骨筋の作用です。これらも深腓骨神経支配ですが、前脛骨筋より外側に位置します。
**内反と屈曲(底屈)**は、後脛骨筋の作用です。下腿の後面深層にあり、脛骨神経の支配を受けます。
このように、足関節の動きは、背屈か底屈か、内反か外反かの組合せで、どの筋が働いているかを判別できます。前脛骨筋は背屈と内反、後脛骨筋は底屈と内反、腓骨筋群は底屈と外反、長趾伸筋は背屈と外反、と整理して覚えます。
選択肢の確認
1.外反・屈曲(底屈)
誤り。長腓骨筋と短腓骨筋の作用です。
2.外反・伸展(背屈)
誤り。長趾伸筋と第三腓骨筋の作用です。
3.内反・屈曲(底屈)
誤り。後脛骨筋の作用です。
4.内反・伸展(背屈)
正しい。前脛骨筋の作用であり、上巨虚と条口の深部にあります。
覚えるポイント
- 上巨虚と条口の深部=前脛骨筋(深腓骨神経支配)。作用は背屈と内反。
- 後脛骨筋=底屈と内反(脛骨神経)、腓骨筋群=底屈と外反(浅腓骨神経)、長趾伸筋=背屈と外反。
- 下垂足=深腓骨神経または総腓骨神経麻痺。鶏歩を呈し、短下肢装具を用いる。