17PM128第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第17回午後(科目未分類)

次の文で示す患者の病態に対し、罹患局所への施術部位として適切なのはどれか。「39歳の男性。友人の引っ越し作業を手伝った後、肩関節前面の痛みを自覚するようになった。外転外旋時に痛みが強い。ヤーガソンテスト陽性。」

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

ヤーガソンテスト陽性から病態を特定し、罹患局所を答える症例問題です。

解説

39歳の男性で、次の所見があります。

引っ越し作業を手伝った後に発症という経過は、上肢の反復使用と重量物の挙上による使い過ぎを示します。

肩関節前面の痛みという部位の情報が重要です。肩の前面には、結節間溝を通る上腕二頭筋長頭腱があります。

外転外旋時に痛みが強いという点も、上腕二頭筋長頭腱が結節間溝の中で移動して摩擦を受けることと合致します。

ヤーガソンテスト陽性が決定的です。ヤーガソンテストは、肘を90度屈曲し前腕を回内位にした状態から、抵抗に抗して回外(および屈曲)させ、結節間溝部に疼痛が誘発されるかをみる検査で、上腕二頭筋長頭腱炎を示します。同じ目的の検査にスピードテストがあり、こちらは肘伸展・前腕回外位で抵抗に抗して肩を屈曲させて結節間溝の痛みをみます。

以上から、病態は上腕二頭筋長頭腱炎であり、罹患局所は結節間溝部です。正答は2です。結節間溝は、上腕骨の大結節と小結節の間の溝で、ここを上腕二頭筋長頭腱が上腕横靱帯に覆われて通ります。触診では、上腕を軽く外旋させると前面に触知できます。施術では、この部位への局所刺鍼に加え、天府、侠白、肩髃の前方、雲門、中府といった経穴が用いられ、あわせて上腕二頭筋への施術と、負荷のかかる動作の見直しが行われます。

他の選択肢を確認します。

烏口突起部は、小胸筋が停止し、烏口腕筋と上腕二頭筋短頭が起始する部位です。上腕二頭筋の短頭は烏口突起から起こりますが、ヤーガソンテストで問題となるのは長頭腱であり、その走行部位である結節間溝が罹患局所です。

棘下部は、棘下筋がある肩甲骨の後面です。棘下筋は腱板の一つで外旋を担い、この部位の障害では後方の痛みが生じます。経穴では天宗がこの部にあります。

肩甲骨下角部は、大円筋の起始部や前鋸筋の停止部にあたり、肩関節前面の痛みとは対応しません。

選択肢の確認

1.烏口突起部
誤り。上腕二頭筋短頭と烏口腕筋の起始部で、長頭腱の走行部ではありません。

2.結節間溝部
正しい。上腕二頭筋長頭腱が通る部位であり、罹患局所です。

3.棘下部
誤り。棘下筋がある肩甲骨後面で、後方の痛みに対応します。

4.肩甲骨下角部
誤り。大円筋の起始部などにあたり、前面の痛みとは対応しません。

覚えるポイント

  • ヤーガソンテストとスピードテスト=上腕二頭筋長頭腱炎。局所は結節間溝部
  • 上腕二頭筋=長頭は関節上結節から結節間溝を通る、短頭は烏口突起から起こる
  • 腱板=棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋。棘下筋の部には天宗。
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