17PM132|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
腰椎椎間関節部への施術の必要性を示す理学検査所見はどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
腰椎椎間関節性の腰痛を示す理学検査を問う問題です。後屈と回旋で誘発されるという機序で判断します。
解説
腰椎椎間関節は、上位椎骨の下関節突起と下位椎骨の上関節突起がつくる関節で、脊髄神経後枝内側枝によって支配されています。この関節に負荷が集中すると、椎間関節性腰痛が生じます。
椎間関節に負荷がかかるのは、体幹の伸展(後屈)と回旋、側屈を行ったときです。前屈では椎間板に負荷がかかるのに対し、後屈では椎間関節に負荷が集中するという違いがあります。
**ケンプ徴候(ケンプテスト)は、立位または座位で、体幹を後方に伸展させながら側屈と回旋を加え、腰痛や下肢への放散痛が誘発されるかをみる検査です。この操作は、椎間関節を圧迫すると同時に、椎間孔を狭くするため、椎間関節性腰痛と神経根の圧迫(腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症)**の両方を評価できます。したがって、椎間関節部への施術の必要性を示す所見として適切であり、正答は1です。
他の選択肢を確認します。
ニュートンテストは、仙腸関節の障害を評価する検査です。腹臥位で仙骨を上から圧迫する方法(ニュートン法)や、両側の上前腸骨棘を圧迫する方法などがあり、仙腸関節部に疼痛が誘発されれば陽性とします。腰椎椎間関節ではありません。
パトリックテストは、背臥位で一側の足を反対側の膝の上に置き、股関節を屈曲・外転・外旋させて膝を押し下げる検査で、股関節障害や仙腸関節障害を評価します。変形性股関節症などで陽性となります。
ボンネットテストは、背臥位で股関節を屈曲・内転・内旋させる検査で、**梨状筋による坐骨神経の絞扼(梨状筋症候群)**を評価します。この操作により梨状筋が伸張され、坐骨神経が圧迫されて症状が誘発されます。
腰痛の理学検査を整理します。ケンプ徴候は椎間関節と神経根、下肢伸展挙上試験(SLRテスト、ラセーグ徴候)は坐骨神経と神経根(主にL4からS1)、大腿神経伸展テスト(FNSテスト)は上位腰椎の神経根(L2からL4)、ニュートンテストは仙腸関節、パトリックテストは股関節と仙腸関節、ボンネットテストは梨状筋症候群です。
なお、間欠跛行、会陰部のしびれ、膀胱直腸障害を伴う場合は、腰部脊柱管狭窄症の馬尾型や馬尾症候群を疑い、速やかな受診を勧める必要があります。
選択肢の確認
1.ケンプ徴候陽性
正しい。後屈と回旋により椎間関節に負荷がかかり疼痛が誘発されます。
2.ニュートンテスト陽性
誤り。仙腸関節の障害を評価する検査です。
3.パトリックテスト陽性
誤り。股関節と仙腸関節の障害を評価します。
4.ボンネットテスト陽性
誤り。梨状筋症候群による坐骨神経の絞扼を評価します。
覚えるポイント
- ケンプ徴候=後屈と回旋で誘発。椎間関節性腰痛と神経根の圧迫を評価。
- 椎間関節は脊髄神経後枝内側枝が支配。後屈で椎間関節、前屈で椎間板に負荷。
- SLRは坐骨神経(L4からS1)、FNSは上位腰椎、ニュートンは仙腸関節、ボンネットは梨状筋。