17PM133|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
「55歳の男性。3か月前より右耳の後ろから側頭部にかけてピリッとした電撃様の痛みが起こる。めまい、嘔気はない。」 最も考えられるのはどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
後頭部から側頭部の電撃様の痛みを鑑別する症例問題です。痛む部位と支配神経を対応させます。
解説
55歳の男性で、次の所見があります。
右耳の後ろから側頭部にかけてという部位の情報が最も重要です。耳の後ろから後頭部の外側にかけての皮膚を支配するのは、**小後頭神経(第2頸神経の前枝、頸神経叢の皮枝)**です。頸神経叢の皮枝は、胸鎖乳突筋の後縁中央(神経点)から出て、小後頭神経、大耳介神経、頸横神経、鎖骨上神経の4つに分かれます。このうち小後頭神経が、胸鎖乳突筋の後縁に沿って上行し、耳介の後方から後頭部の外側に分布します。
ピリッとした電撃様の痛みという性状は、神経痛を示します。神経痛は、その神経の走行に沿って、発作性で短時間の、電撃様、刺すような、灼けるような痛みとして現れるのが特徴です。
めまい、嘔気はないという情報は、中枢性の病変や前庭系の疾患を除外する方向に働きます。
以上から、小後頭神経痛が最も考えられ、正答は4です。原因としては、頸部の筋緊張、不良姿勢、頸椎症、外傷、寒冷などによる神経の絞扼や刺激が挙げられます。
他の選択肢を確認します。
三叉神経第1枝痛は、前頭部、上眼瞼、鼻背、角膜といった眼神経の支配領域に生じます。耳の後ろから側頭部ではありません。なお、三叉神経痛ではトリガーゾーンが存在し、洗顔や髭剃り、会話で誘発されるのが特徴です。
片頭痛は、拍動性(ズキンズキン)の痛みが4時間から72時間持続し、悪心と嘔吐、光過敏と音過敏を伴い、動くと悪化します。本症例は電撃様で短時間の痛みであり、嘔気もないため合致しません。
緊張型頭痛は、両側性に頭を締め付けられるような非拍動性の痛みが持続するもので、悪心を伴わず、肩こりを伴うことが多い頭痛です。電撃様の痛みではありません。
なお、大後頭神経痛も鑑別に挙がります。大後頭神経は第2頸神経の後枝で、後頭部の正中寄りを支配します。局所治療穴は天柱や風池です。小後頭神経は後頭部の外側から耳の後ろ、大後頭神経は後頭部の正中寄りという部位の違いが鑑別点です。
選択肢の確認
1.三叉神経第1枝痛
誤り。前頭部や上眼瞼など眼神経の支配領域に生じます。
2.片頭痛
誤り。拍動性で数時間から数日持続し、悪心を伴います。
3.緊張型頭痛
誤り。両側性の締め付けられる持続痛です。
4.小後頭神経痛
正しい。耳の後ろから後頭部外側は小後頭神経の支配領域です。
覚えるポイント
- 小後頭神経=第2頸神経の前枝(頸神経叢の皮枝)、耳の後ろから後頭部外側。
- 大後頭神経=第2頸神経の後枝、後頭部の正中寄り。局所は天柱と風池。
- 頸神経叢の皮枝=小後頭神経、大耳介神経、頸横神経、鎖骨上神経。