17PM134第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問

過去問題(未分類)第17回午後(科目未分類)

「55歳の男性。3か月前より右耳の後ろから側頭部にかけてピリッとした電撃様の痛みが起こる。めまい、嘔気はない。」 罹患部への局所治療穴として適切なのはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

前問で特定した小後頭神経の走行部にある経穴を選ぶ問題です。

解説

小後頭神経は、第2頸神経の前枝から出る頸神経叢の皮枝で、胸鎖乳突筋の後縁に沿って上行し、乳様突起の後方を通って、耳介の後方から後頭部の外側に分布します。

したがって、局所治療穴としては、乳様突起の後方から後頭骨の下方にかけての領域にある経穴を選びます。

完骨は、前頸部、乳様突起の後下方の陥凹部にある足の少陽胆経の経穴です。まさに小後頭神経が通る領域にあたり、局所治療穴として適切です。正答は1です。完骨は、後頭部痛、頭痛、めまい、耳鳴り、不眠、顔面神経麻痺などに用いられます。

なお、この付近への刺鍼では注意が必要です。乳様突起の後下方は、深部に椎骨動脈や後頭下の血管、そしてさらに深部には延髄が存在します。深刺と内上方への刺入は避け、方向と深度を慎重に管理することが不可欠です。

他の選択肢を確認します。

天柱は、後頸部、第2頸椎棘突起上縁と同じ高さ、僧帽筋外縁の陥凹部にある足の太陽膀胱経の経穴です。この部位を通るのは**大後頭神経(第2頸神経の後枝)**であり、大後頭神経痛の局所治療穴として用いられます。本症例は小後頭神経の領域であるため、完骨の方が適切です。なお、天柱と風池も、深部に延髄と椎骨動脈があるため深刺は避けます。

下関は、顔面部、頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部にある足の陽明胃経の経穴です。顎関節の前方にあたり、顎関節症、歯痛、三叉神経第3枝痛に用いられます。耳の後ろではありません。

百会は、頭部、前正中線上、前髪際の後方5寸(両耳尖を結ぶ線の中点)にある督脈の経穴です。頭頂部にあり、頭痛、めまい、不眠、内臓下垂、脱肛などに用いられますが、小後頭神経の局所ではありません。

神経痛に対する施術では、罹患神経の走行に沿った局所治療に加え、神経の絞扼要因となる筋緊張の緩和姿勢の改善保温が重要です。また、痛みが強い場合や神経症状が進行する場合は、医療機関での評価を勧めます。

選択肢の確認

1.完骨
正しい。乳様突起の後下方にあり、小後頭神経の走行部にあたります。

2.天柱
誤り。大後頭神経の走行部であり、大後頭神経痛の局所です。

3.下関
誤り。顎関節の前方にあり、顎関節症や三叉神経第3枝痛に用います。

4.百会
誤り。頭頂部にあり、小後頭神経の局所ではありません。

覚えるポイント

  • 小後頭神経=乳様突起の後方から耳の後ろ、後頭部外側。局所は完骨
  • 大後頭神経=後頭部の正中寄り。局所は天柱と風池
  • 完骨、天柱、風池はいずれも深部に椎骨動脈と延髄。深刺と内上方への刺入を避ける。
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