17PM145|第17回 はり師・きゅう師国家試験 過去問
鍼の抜き忘れの防止策として適切でない記述はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
抜き忘れの防止策を問う問題です。責任の所在は誰にあるかが核心です。
解説
鍼の抜き忘れは、施術者が起こしうる代表的な事故の一つです。抜き忘れた鍼は、体内への迷入、折鍼、感染、患者が帰宅後に気づいて負傷するといった重大な結果を招くおそれがあります。とくに置鍼中に他の患者の対応をした場合や、多数の鍼を用いた場合、衣服や寝具に隠れる部位で起こりやすくなります。
各選択肢を検討します。
置鍼した鍼の本数を確認して記載することは適切です。刺入した本数を記録し、抜鍼した本数と照合するという手順は、抜き忘れ防止の最も基本的かつ確実な方法です。記録に残すことで、後から確認することも可能になります。
単回使用毫鍼の使用時は、鍼管と抜鍼した鍼が同数であることを確認することも適切です。単回使用毫鍼は1本ごとに鍼管とセットで包装されているため、使用した鍼管の数がそのまま刺入した鍼の本数を示します。これを抜鍼した鍼の数と照合すれば、確実に確認できます。実用的で有効な方法です。
鍼は刺入した者が抜くことも適切です。どこに何本刺したかを最もよく把握しているのは刺入した本人です。途中で担当者が変わると、情報の伝達に漏れが生じ、抜き忘れの危険が高まります。やむを得ず交代する場合は、刺入部位と本数を確実に引き継ぐ必要があります。
抜き忘れの最終確認は患者自身に委ねることは適切でなく、これが正答で4です。理由は次のとおりです。第一に、安全管理の責任は施術者にあり、患者に転嫁すべきものではありません。第二に、患者は背部など自分で見えない部位を確認できません。第三に、皮内鍼や円皮鍼のように留置するものと、抜き忘れた鍼とを患者が区別することは困難です。第四に、高齢者や小児、知覚の鈍い患者では気づくことができません。したがって、最終確認は必ず施術者が、視診と触診によって行うことが原則です。
そのほかの予防策として、明るい照明のもとで確認する、タオルや衣類をめくって全身を確認する、置鍼中は患者のそばを離れない、または離れる場合は本数を明示しておく、抜鍼した鍼を数えながら専用容器に廃棄するといった手順が挙げられます。
選択肢の確認
1.置鍼した鍼の本数を確認して記載する。
適切。本数の記録と照合は最も基本的な防止策です。
2.単回使用毫鍼の使用時は、鍼管と抜鍼した鍼が同数であることを確認する。
適切。鍼管の数が刺入本数を示すため、実用的な確認方法です。
3.鍼は刺入した者が抜く。
適切。刺入した本人が最も正確に把握しています。
4.抜き忘れの最終確認は患者自身に委ねる。
適切でなく、これが正答。安全管理の責任は施術者にあります。
覚えるポイント
- 抜き忘れ防止=本数の記録と照合、鍼管の数との照合、刺入した者が抜く、施術者による最終確認。
- 患者に確認を委ねない。見えない部位、留置鍼との区別、知覚の問題がある。
- 抜鍼後は明るい照明で全身を視診と触診で確認し、数えながら専用容器に廃棄する。